特別企画!ロッキング・オンが選んだ「2010年代 究極の100枚」からTOP20を発表!(3日目)

特別企画!ロッキング・オンが選んだ「2010年代 究極の100枚」からTOP20を発表!(3日目)

2020年を迎えて早くも初夏に。パンデミックの影響で巣ごもりの時間が長引くなか、音楽を心の拠りどころにする人も多いことでしょう。そこで、ロッキング・オンが選んだ「2010年代のベスト・アルバム 究極の100枚(rockin’on 2020年3月号掲載)」の中から、さらに厳選した20枚を毎日1作品ずつ紹介していきます。

10年間の「究極の100枚」に選ばれた作品はこちら!


『チェイシング・イエスタデイ』
ノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライング・バーズ


特別企画!ロッキング・オンが選んだ「2010年代 究極の100枚」からTOP20を発表!(3日目)

盤石な信頼感の中に燻る野心

『チェイシング・イエスタデイ』は2015年作で、つまり5年前のリリースだが、もっと昔のアルバムに思えてしまうところがある。それぐらい、次作『フー・ビルト・ザ・ムーン?』以降のノエルはガラッと志向を刷新してみせたし、世論の向きとはちょっと違うかもしれないが僕は現在進行形の彼が大好きだ。かといって、『チェイシング〜』期までのノエルに否定的だったかと言えばそうではなく、むしろ絶対にハズさないグッド・メロディの仕事ぶりに信頼感を寄せていた。そもそも、ノエルの音楽に大胆な革新性を期待する方が無理のある話で、それは今でも変わらないのである。ただ、メロディだけでなく、グルーヴやサウンド構築においても生き生きと「らしさ」を発揮してくれる今日の彼は見ていてとても楽しい、という話だ。

オアシス離脱後、楽曲ストックもあった上にきっちり態勢を整えてスタートを切ったノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライング・バーズだが、本作はオープニングの“リヴァーマン”からして手癖全開のコードストローク(申し訳程度にセブンスを乗せてはいるけれど)で真っ先に安心感をもたらしている。こういう巧さはノエル一流のサービス精神の表れだが、一方で中盤の“ザ・ダイイング・オブ・ザ・ライト”や“ザ・ライト・スタッフ”、“ホワイル・ザ・ソング・リメインズ・ザ・セイム”辺りでは、後の作風に繋がるサイケ/ダンス路線も見えてくる。歌心を見失わないバランス感覚もさすがだ。今になって聴くと、セルフプロデュース作だからこそ露わになるノエルの狙いにしっかりと向き合える。(小池宏和)
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