1985年7月13日にイギリスで行なわれ、クイーンやポール・マッカートニー、デヴィッド・ボウイらが出演した20世紀最大級のチャリティ・コンサート「ライヴ・エイド」が今年で開催35周年を迎えた。
そんななか、同イベントを主催したボブ・ゲルドフが、この一大イベントが私生活に影響を及ぼしたと告白。「The Associated Press」のインタビューを報じた「abc NEWS」によると、ボブは「ライヴ・エイド」を主催したことで伴った栄光に不満を感じていたのだという。
世界各地で中継され、1億ドル以上もの募金を集めた「ライヴ・エイド」を実現したボブは、人々から“聖人ボブ”として見られるようになり、その前に楽しんでいたブームタウン・ラッツのフロントマンに戻りづらくなってしまったと語っている。
「自分の仕事に戻れなくなってしまった。私はポップ・シンガーだ。それがお金を稼ぐ方法で、それが仕事なんだ。朝起きて気分が乗れば曲を書いてリハーサルをする。それが出来なくなったんだよ。
(ポップ・シンガーの仕事に)誰も興味を示さなかった。“聖人ボブ”と呼ばれるようになった私は、もうポップ・シンガーでいることを許されなかったんだ。それは取るに足りない、意味がないことだからね。自分を見失ってしまったんだよ」
さらにボブは、思ったように音楽の仕事ができなかった当時は経済的に苦しく、そのことが結婚生活にも影響したとも明かしていた。
「ライヴ・エイド」は今もなお語り継がれる伝説のライブだが、本人としては色々と思うところがあるようだ。しかし、今年上旬にボブは、1984年以来となるブームタウン・ラッツのニュー・アルバム『Citizens of Boomtown』をリリースし、自分が望む音楽制作を続けている。