ボブ・ディランについて書かれた楽曲5選:ジョン・レノンやデヴィッド・ボウイ、ジョニ・ミッチェルほか

ボブ・ディランについて書かれた楽曲5選:ジョン・レノンやデヴィッド・ボウイ、ジョニ・ミッチェルほか

音楽界で、レジェンド的な存在となったボブ・ディランについて歌った曲は少なくない。そこで、「FAR OUT」がディランについて書かれた楽曲を10曲選出しているので、そのうち5曲を紹介する。

デヴィッド・ボウイ “Song for Bob Dylan”



“Song for Bob Dylan”は、1971年にリリースされたアルバム『Hunky Dory』の収録曲だ。1976年のインタビューでボウイは同曲について、「(『Hunky Dory』には)“Song for Bob Dylan”という曲まであるんだ。この曲は、僕がロックでやりたいことを体現している。それは僕が、『オーケー、ディラン。君が(ロックを)やりたくないなら僕がやるよ』と言ってた頃で、ディランにリーダーシップが欠けていると見ていた。この曲はアルバムで一番重要な曲じゃないかもしれないが、僕にとってはアルバムの意義を表している。ロックンロールをやる人がいないなら、僕がやるってね」と語っていたそうだ。

ジョン・レノン “Serve Yourself”



ジョン・レノンとボブ・ディランの出会いは1964年まで遡り、二人はお互いに音楽的な影響を受け合っていた。ディランはレノンに、ポップ・スターとしてではなくアーティストとして自分自身を受け入れるように促し、対するディランはザ・ビートルズからポップの感性の学んだと「FAR OUT」は述べている。しかし、ディランが音楽から離れて神とキリスト教に傾倒しだすと、レノンはディランに対して懐疑的になっていったとのこと。

そしてディランは、神に仕えることをテーマにした“Gotta Serve Somebody”という曲を作り、ジョンはその曲に応えるかのように、自分に仕えることを歌った曲“Serve Yourself”を発表したそうだ。

ジョニ・ミッチェル “Talk to Me”



もともとジョニ・ミッチェルとボブ・ディランは、それほど親しくはないもののお互いを「友人」と呼べる仲だったが、ある時点で二人の関係が急速に悪化していったのだという。そしてジョニは、1977年の曲“Talk To Me”で「ミスター・ミステリー」という人物について歌っている。その歌詞には、《私たちは権力について、イエス(・キリスト)やヒトラーについて、そしてハワード・ヒューズやチャーリー・チャップリンの映画についても話せるわ》とあるのだが、チャップリンはディランのヒーローとして知られていることから、「ミスター・ミステリー」はディランだと見られているようだ。

T・レックス “Telegram Sam”



T・レックスのフロントマンだったマーク・ボランは、“Telegram Sam”でディランを絶賛している。この曲には、《ボビーはキマってる。彼は生粋の詩人。とにかくイカしてる》という歌詞があり、「ボビー」とはディランのことなのだという。同曲ではディランの他に、タイトルになった「サム」や、歌詞に登場するジェイクという別の人物も称えられている。

シド・バレット(ピンク・フロイド) “Bob Dylan Blues”


https://www.youtube.com/watch?v=uOokCdkIejk&feature=emb_title

この曲はピンク・フロイドのメンバーだったシド・バレットが、1965年に初めて書いた曲のひとつで、タイトルからわかるようにディランのことを歌った曲だ。同曲は、36年後となる2001年まで日の目を見ることはなかったとのこと。“Bob Dylan Blues”は、シドがディランのコンサートへ足を運んだ後にインスピレーションを受けて書いたというから、純粋に偉大なるディランへのオマージュだと言えそうだ。



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