ジャクソン・ブラウンの新作『Downhill From Everywhere』が7月にリリース! 混迷の時代へ立ち向かう真摯なメッセージ、そして尽きることのないアクティビティでバンド・サウンドを鳴らす

ジャクソン・ブラウンの新作『Downhill From Everywhere』が7月にリリース!  混迷の時代へ立ち向かう真摯なメッセージ、そして尽きることのないアクティビティでバンド・サウンドを鳴らす

音楽を取り戻す歩みを加速させているアメリカの音楽シーンだが、とくにベテラン陣の対応と行動力が目覚ましい。ジャクソン・ブラウンもまさにそんな一人で、7年ぶりのオリジナル・アルバム『Downhill From Everywhere』を7月23日にリリースすることが発表された。これはもともと昨年10月9日、72歳の誕生日に出す予定だったが、コロナ禍、ジャクソン自身も検査を受け陽性だったこともあり延ばされていたもの。

前作の『スタンディング・イン・ザ・ブリーチ』(14年)が素晴らしい仕上がりだったし、翌15年の来日公演でも感動させてもらったが、彼にとっても満足のいくパフォーマンスだったのだろう、珍しいことにライブ盤『ザ・ロード・イースト-ライヴ・イン・ジャパン- 』を<バンドも最高の状態でそれぞれのプレイも冴え渡っていて、このツアーをレコード化すべきだって思えた>との言葉を添えて出してくれた。

その後も19年にはポール・ハギスとダン・クラウスが監督したエイズ治療をテーマとするドキュメンタリー映画『5B』のために書いた美しいナンバー“A Human Touch”をレスリー・メンデルソンとデュエットしたり、世界中のコミュニティの貧困に取り組む<Artists for Peace and Justice>の企画でハイチ問題に目を向けた“Love Is Love”を出したりと精力的に活動を続け、昨年の予定だったアルバム発表前の3月には環境問題への危機感と希望を訴える“A Little Soon To Say”を、翌月にはプラスチックの海洋投棄問題や環境汚染(ジャクソンはプラスチックのない未来を目指す団体の執行諮問委員会の一員でもある)などについて歌った“Downhill From Everywhere”を先行シングルで公開したが、とくにアルバム・タイトルともなった後者での人類が立ち向かうさまざまな困難な問題をテーマにした歌声は重く迫ってくる。

幸い今回は順調に進んでいるようなので予定通りアルバム・リリースとなるだろうが、一貫して環境問題や社会問題と取り組みながら音楽性を磨き上げてきた人だけに、この困難山積の時代を撃つのにふさわしい作品を届けてくれるはずだ。(大鷹俊一)



ジャクソン・ブラウンの記事は、現在発売中の『ロッキング・オン』7月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。

ジャクソン・ブラウンの新作『Downhill From Everywhere』が7月にリリース!  混迷の時代へ立ち向かう真摯なメッセージ、そして尽きることのないアクティビティでバンド・サウンドを鳴らす - 『rockin'on』2021年7月号『rockin'on』2021年7月号

公式SNSアカウントをフォローする

人気記事

最新ブログ

フォローする