THE SPINAL TAP / PYRAMID STAGE
ハード・ロック・バンドのでたらめな生態や音楽業界の実態を諷刺した84年のコメディ映画『スパイナル・タップ』の劇中バンドとして、特にアメリカやイギリスでは今も人気の高いスパイナル・タップ。サントラも大ヒットしたが、今年は映画公開25周年を記念してそれらの曲を新曲と併せて新レコーディングした『Back From the Dead』がリリースされ、グラストンベリーのメイン・ステージ、ピラミッドにも電撃参加。今も人気の高い数々の曲を、本職はコメディアンのメンバーたちが熱く届けることに。
この日は“ヘル・ホール”、オリジナル・バージョンと較べるとかなりファンク色を強くした“セックス・ファーム”、またスパイナル・タップの母体となった初期のバンド(という設定の)、ザ・テムズメン時代の“ギミ・サム・マニー”など、人気の高い曲を続々と披露。
“ショート・アンド・スウィート・ビコーズ・イッツ・ロング・アンド・サワー”の演奏中にはジャズ・ポップ系シンガー・ソングライターでジャズ・ステージに出演予定だった、ジェイミー・カラムが飛び入り参加するというサプライズも。さらにはジョン・ピール・ステージの大トリのジャーヴィス・コッカーも登場し、“ビッグ・ボトム”でベースを担当。この曲はステージが最終的にダンサーたちに占拠されるという落ちのついた演出に。
ライブの見どころはリーダー役デヴィッド・セント=ハビンズが「ぼくたちはこの曲で世に認められました……」と紹介した“ストーンヘンジ”。ロック・バンドの思わせぶりな神秘主義を風刺したこの曲のステージでは、ストーンヘンジを模した小さな風船がステージに登場し、2人の小人がその周りで踊るという、映画でも有名なシーンをそのまま再現。
ちなみにドラマーが20人以上交代しているという設定のスパイナル・タップだが、行方不明になっていたとされていたドラマー、スキッピー・スカフルトンが今回は参加していて、この日のライブで新曲“ソーシー・ジャック”を世界初披露。19世紀の連続殺人魔、ジャック・ザ・リッパーをネタにした曲で、映画ではジャックをネタにミュージカルを製作するというエピソードもあった。
セットリスト
'Tonight I’m Gonna Rock You Tonight'
'Back From The Dead'
'Hell Hole'
'Stinking Up The Great Outdoors'
'Short And Sweet Because It’s Long And Sour'
'Gimme Some Money'
'Warmer Than Hell'
'Stonehenge'
'Saucy Jack'
'The Majesty Of Rock'
'Sex Farm'
'Big Bottom'
'Heavy Duty'
(c) NME.COM / IPC Media 2008/2009
スパイナル・タップ、架空の劇中バンドの大復活
2009.06.28 16:55