イーノとラノワ、U2の『焔』を振り返る

オリジナル・リリースから25年が経ったことを記念して、ボーナスCDやDVDなどがついた25周年記念盤が本日10月27日にリリースされるU2の1984年作品『焔(The Unforgettable Fire)』。このアルバムを共同プロデュースしたブライアン・イーノとダニエル・ラノワが当時を振り返り、初めてU2とコラボすることになった経緯について語っている。

当時まったく仕事が入ってこなかったというダニエル・ラノワと、デヴィッド・ボウイやイギー・ポップといった大物アーティストから次々と仕事の依頼は入ってくるものの、プロデュースに興味を持てなくなっていたブライアン・イーノ。「(U2からプロデュースの依頼を受けた後)自分がそれにふさわしい人間だとはなかなか思えなかった」とイーノはピッチフォークに語っている。「アイディア的なことについてはいいとして、昔ながらのプロダクション的なことを僕にうまくやれるだろうか?ってね」

「で、こう思ったんだ。『(ラノワと)2人でやったらどうだろう? 一部は重複するようなことになってしまうだろうけれど、それぞれが異なる機能を提供できるんじゃないだろうか?』って。そんな風にしてあのコラボは始まったんだ」

「U2は何か違ったことをやりたがっていた」とラノワは言う。「ボノは削ぎ落とされたロックンロールの域を超えた地点に辿り着きたかったんだと思う。だからイーノと僕はそれまで自分たちが発展させてきたカラーを好きなように発揮しようと思えたんだ」

「僕らはソウル・ミュージックを愛好しているという点で似ていたんだよ」とラノワは続ける。「気分を良くしてくれたりとか、そういった目的意識のある、広い意味での『ソウル』をね。それこそが僕らが一人ひとりの人間としてレコードを愛する究極的な理由なんだ」
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