ロンドンのラウンドハウスを7月の間まるまる借り切って行われるiTunes フェスだが、7月25日のステージではヨーロッパとフォリナーというベテラン・バンドがふたつ登場し、どちらもそのキャリアを辿るセットを披露した。
フォリナーについては“アイ・ウォナ・ノウ”“つめたいお前”“ガール・ライク・ユー”などの往年のヒット曲をたたき出していった。
現在のラインナップのなかではギターのミック・ジョーンズだけがオリジナル・メンバーとなっていて、ほかの5人のメンバーはここ6年の間にバンドに加わった顔触れとなっている。
現在ボーカルを務めるベテラン・ハード・ロック・ボーカリストのケリー・ハンセンは“つめたいお前”の演奏中、ステージと客席を分けるバリアーの上を伝いながらファンと握手を交わす一幕を見せたりもした。09年の新作『Can’t Slow Down』からは“When It Comes to Love”のみを演奏し、ほかはほとんどが絶頂期だった初期5枚のアルバムからの選曲となった。
“衝撃のファースト・タイム”の演奏に入る前にミックは「イギリスに帰ってこられて本当に嬉しいよ。ずっとこっちではライブをやってなかったからね」とオーディエンスに伝えた。また、06年に改装して再出発したラウンドハウスについて「ぼくたちが昔やった頃と較べると見違えるほどいい会場になってね」と語っていた。もともとフォリナーはミックを含むオリジナル・メンバーの3人がイギリス人で、もう3人がアメリカ人という外国人同士のバンドだったから「フォリナー」と命名することになったバンドでもある。今ではミック以外の全員がアメリカ人だ。
本編の終了させる前にケリーは観客に「ここは歴史的な会場なので、みんな最後には隣の人と肩を組んでくれないか」と呼びかけ、そこから85年のヒット曲で英米チャート1位に輝いた“アイ・ウォナ・ノウ”の演奏に入った。
一方、スウェーデンのベテラン、ヨーロッパは88年のヒット曲“スーパーステイシャス”の演奏の途中でボブ・マーリーの“ノー・ウーマン・ノー・クライ”のカバーを挿入させるなどして聴き所を演出していた。ボーカルのジョーイ・テンペストは終始してマイク・スタンドを振り回していたが、“ロック・ザ・ナイト”では柵前まで降りて行き、ファンと握手する一幕もあった。
最後には86年にイギリス・チャート1位に輝いた“ザ・ファイナル・カウントダウン”を演奏してショーを締めた。
フォリナーのセットリストは以下の通り:
'Double Vision'
'Head Games'
'Cold as Ice'
'Waiting For A Girl Like You'
'When It Comes To Love'
'Dirty White Boy'
'That Was Yesterday'
'Can't Slow Down'
'Starrider'
'Feels Like The First Time'
'Urgent'
'Juke Box Hero'
'I Want to Know What Love Is'
'Hot Blooded'
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