モリッシー、2007年のNMEの記事が自分を意図的に人種差別的に描いたと訴訟審議中

『Very Best Of Morrissey』

元ザ・スミスのモリッシーはイギリスのロック専門誌NMEへの訴訟を起こしていて、現在裁判所で訴訟を起こすのに十分な証拠などが揃っているかを審査する予備審議に入っている。モリッシーはNMEの版元のIPCメディアと元編集者のコナー・マックニコラスを相手取り、2007年11月28日号に掲載されたインタヴューがモリッシーに対して中傷的でモリッシーを人種差別者主義者として描こうとしたものだったと訴えているとザ・ガーディアン紙が伝えている。

このインタヴューで、モリッシーの次のような発言が引用されていた。「イギリスの門はすでに冠水してしまっているよ。この国はもはや打ち捨てられたようなものなんだ。外国から来た人たちに対してぼくはなんの悪気もないけれども、イギリスへの流入が多ければ多いほどイギリスのアイデンティティもまた消失してしまうんだよ」。

もともとモリッシーはこのインタヴューが掲載された時点で訴訟を考えていたといい、以来、自身の評判も傷ついてあまり芳しいものではなくなってしまったとモリッシーは語っている。その後、2008年にモリッシーは反ナチズムや反人種差別を掲げる音楽イヴェントを展開する団体、ラヴ・ミュージック・ヘイト・レイシズムに2万8千ポンドの(約347万円)寄付を行っている。

しかし、昨年にもモリッシーはザ・ガーディアン紙に掲載されたインタヴューでやはり人種差別的だとの批判を浴びることになった。問題の発言は動物愛護について語っているもので、モリッシーは「中国人の動物への扱いや動物愛護の現状を考えると、中国人は人間の亜種なんだと思わざるをえないね」と語っていた。