インターネット検閲を可能にするアメリカの著作権保護法案の採決が無期限で見送りに

先頃、アメリカの議会でネットでの著作権侵害を規制する強硬措置を可能にする法案が審議されているのが論議を呼び、1月18日にはウィキペディアやグーグルの英語版など7千に及ぶサイトが一斉に通常のサーヴィスを停止させる抗議運動を行ったが、アメリカ議会の上下両院はそれぞれに問題となっているふたつの法案であるオンライン海賊行為防止法(SOPA)と知的財産保護法(PIPA)の採決を無期限で見送ることを決定したとCNNマネーが伝えている。

きっかけとなったのはやはり18日のオンライン抗議運動のほか、ニューヨーク、シアトル、サンフランシスコ、ワシントンDCで大々的に行われたデモで、グーグルが募った請願書は700万名以上もの署名を集めたという。

上院多数派党総務のハリー・リード議員は来週に予定されていたPIPAの採決は「昨今の出来事を鑑みて」中止されたと語っている。また、議員は「この法案に対して提起されたさまざまな正当な問題は解決できないわけではない」とも語っている。

また下院法務委員会委員長のラマール・スミスはSOPAについては「より広い合意形成ができるまで法案化は見送る」という声明を発表しているとCNNが伝えている。「批判的な見地からの意見も聞いており、真摯に受け止めなければならないと考えます。アメリカの知的財産を狙う外国の盗人問題への対応をどうすればベストとなるのか、明らかにそこを問い直さなければなりません」と議員は述べている。

この両法案が問題となっていたのは、いったん採決され施行されると、アメリカ政府には裁判所の許可なくして著作権侵害にあたると思しきサイトへの一般的なアクセスを遮断するなど検閲を行う権限が与えられてしまうからで、トレント・レズナーやザ・フレイミング・リップスなど、さまざまなアーティストも法案の成立反対を表明していた。
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