マイケル・ジャクソン、新たなドキュメンタリー・フィルムが完成間近


2012年7月11日(US時間10日)、ソニー・ミュージックとマイケル・ジャクソン・エステートによって、新たなマイケル・ジャクソンのドキュメンタリー・フィルムを制作中であることが発表された。

このドキュメンタリーはアルバム『BAD』のリリース25周年を祝して制作されているもので、完成間近とのこと。監督を務めているのは、ドキュメンタリー作品で数多くの賞を受賞しているスパイク・リーになる。スパイク・リーはマイケルの"ゼイ・ドント・ケア・アバウト・アス"のショート・フィルム2作をこれまでに監督しており、このプロジェクトに最も相応しい人物と言える。

本ドキュメンタリーはマイケルがパフォーマーとして、作曲者として、そしてプロデューサーとして頭角を現す転機となったアルバム『BAD』の制作と、数々の記録を塗り替えたエポック・メイキングな『BADワールド・ツアー』の舞台裏を深く追った映像作品になる。

本ドキュメンタリーに関して今回発表された内容として、なんとカニエ・ウェスト、マライア・キャリー、シーロー・グリーン、そして『BADワールド・ツアー』でバック・シンガーも務めたシェリル・クロウなど、現在のトップ・アーティストが『BAD』について証言するインタビューが既に収録されているとのこと。また、スパイク・リー監督は、自ら当時の振付師、ミュージシャン、その他共演者やスタッフも含め既に40名以上にインタビューを行ったそうだ。マイケルと共に、明けても暮れても『BAD』プロジェクトの完成に向けて走り続ける日々がどのようなものであったか。彼らの貴重な言葉をつなぐことで、それが鮮明に映し出されている。

スパイク・リーは「僕はマイケル・ジャクソンの大ファンというだけでなく、彼と知り合い、一緒に作品を作る機会も得ることが出来て、彼の遺してくれたものに深い思い入れを持っている。このプロジェクトで、『BAD』が彼のキャリアの中でいかに大きく重要な転機だったのかを解明し、アルバムと、それに伴うショート・フィルムのメイキングやツアーにまつわる、このまま明かされることもなかったかもしれない、感動の逸話の数々を発掘することができたと思う」と話している。

他にも、アカデミー賞受賞監督のマーティン・スコセッシやジョー・ピトカをはじめ、当時のパーソナル・エンジニアのマット・フォージャー、アルバムのレコーディングとツアーにも参加したキーボードのグレッグ・フィリンゲインズ、元CBS社長ウォルター・イエトニコフや振付師ジェフリー・ダニエル、ヴィンセント・パターソンらも登場する。

マイケル・ジャクソン・エステートの共同管理者であるジョン・ブランカとジョン・マクレーンは、「スパイク・リーの語り手としての才能と、マイケルの芸術性に対する情熱・素直な感動という組み合わせを思えば、『BAD』の物語を伝える監督として彼以上の人物はいない。この特別なプロジェクトで彼とコラボレーションできるのは非常に嬉しいことだ」とコメント。

アルバム『BAD』は世界25カ国のチャートで1位になり、全米シングル・チャートで5曲が連続1位になるという記録を打ち立て、前代未聞の9本のショート・フィルムを生み、現在までに累計4,500万枚を売り上げている。6つのグラミー賞にノミネートされ2つを受賞し、記念すべき第1回MTVビデオ・ミュージック・アワードで初のビデオ・ヴァンガード賞に選ばれた。また、『BAD』ワールド・ツアーは16カ月間に及ぶ全123公演、440万人以上という史上最高の観客動員を記録し、ギネスブックの記録を3項目も塗り替えた。。

このドキュメンタリーは、『BAD』25周年記念プロジェクトのひとつで、他にもマイケル・ジャクソンの未発表音源や、未発表であった『BAD』ワールド・ツアーのライヴ映像が詰まった『BAD25周年記念盤』が9月19日に3形態で発売される。