ブラーのデイヴ・ロウントゥリー、ブリット・ポップ期のオアシスとのライバル関係は健全ではなかったと語る

ブラーのデイヴ・ロウントゥリー、ブリット・ポップ期のオアシスとのライバル関係は健全ではなかったと語る

ブラーのドラムのデイヴ・ロウントゥリーは90年代のブリット・ポップ全盛期におけるブラーとオアシスのライヴァル関係は健全なものではなかったと語っている。

8月1日に全キャリア振り返るボックス・セット『BLUR 21 BOX』をリリースするブラーだが、『ザ・サン』紙の取材に応えてデイヴはブラーとオアシスがひとからげにされていたこと自体が笑ってしまうし、また自分たちとギャラガー兄弟との競合関係があれほどメディアの関心を集めることになろうとはバンドの誰も想像していなかったと語っている。

「ぼくたちほど違っているバンドはほかにいないからね。そのバンドがふたつとも同じムーヴメントの両翼を担っているなんていうだけで笑える話だったし。ブラーとオアシスは一緒にてっぺんで競り合わされたわけで、それはどちらにとっても健全なことじゃなかったんだ」

さらにデイヴはこう続けている。「どんな国でも音楽を通してその国で起きている物語を綴ったりすることがあるわけで、ちょうどイギリスではイギリスの置かれた状況を歌詞にするのがおおっぴらに行われ始めて、ブラーとオアシスはそのメタファーに使われたんだよ。イギリスでは階級闘争のように描かれたんだね。ぼくたちの場合には南部出身の中流と思われてたんだけど、グレアム(・コクソン)の場合にはそれはまるで当てはまらないんだよね。そしてオアシスは北部の労働者階級と思われてたわけだね」。

その一方でグレアムは次のように説明した。「ブリット・ポップのブームにはすごく幅の狭さがあったよ。一番受けているというバンドとかを観に行っても『自分たちとは全然違うんだけど』っていう感じでね。オアシスとの競合はちょっとした洒落として始まったもんで、みんながあんなにマジで盛り上がることになるなんて思いもよらなかったんだ」。

なお、ブラーは8月12日にハイド・パークで開催されるロンドン・オリンピック閉幕記念イヴェントに、ザ・スペシャルズ、ニュー・オーダーなどとヘッドライナー出演する予定になっている。しかし、ヴォーカルのデーモン・アルバーンは先頃、オリンピックの金満体質に嫌気が差していると次のようにコメントしている。

「もうオリンピックにまつわるありとあらゆる資本主義にアンチになってるだけなんだよ。でも、ぼくたちは今度のライヴをオリンピックの企業主義的な側面のためにやるんじゃなくて、人間のためにやるんだよ」

なお、バンドはハイド・パークの前にマーゲイト、ウルヴァーハンプトン、プリマスでウォームアップ・ライヴを行い、スウェーデンのウェイ・アウト・ウェスト・フェスティヴァルにも出演する予定になっている。

また『BLUR 21 BOX』の内容は、オリジナル・アルバム全7枚、CD4枚分ものレア音源、ライヴ2本を含むDVD3枚分の映像、バンドがまだシーモアと名乗っていた頃の曲"Superman"の7インチ・シングルの復刻盤、そしてバンドとの最新インタヴューをもとにバンドの歩みを綴ったハードカヴァー本というものになっている。

(c) NME.COM / IPC Media 2012
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