11月に投票を迎えるアメリカ大統領選の共和党候補ミット・ロムニーが副大統領に指名しているポール・ライアンは、娘を名づけたエピソードをニルヴァーナのカート・コバーンから盗用していると指摘されている。

ライアンは10月11日に行われた副大統領候補討論会で、妊娠中絶の是非についてのやりとりで自身の娘リザがどうして「ビーン（豆）」というあだ名で呼ばれるようになったかというエピソードを紹介しているが、その後、ツイッターでこれがカート・コバーンの娘フランシス・ビーンをどうやって名づけたかというエピソードに酷似していたとすぐに指摘されているとブログ・サイトのゴーカーが伝えている。

カートは妻のコートニー・ラヴが超音波の胎児スクリーニングを受けた際に赤ちゃんの画像が豆のように思えたことから、その後娘を「フランシス・ビーン」と名付けたことで知られている。ちなみにライアンはニルヴァーナの大ファンであることを明らかにしていて、さらにレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのファンだとも語ってきている。

問題の討論会でライアンは次のように発言していた。「10年くらい前だったと思いますが、わたしの妻のジャナとジェインズヴィルのマーシー病院を訪れて、わたしたちの最初の子供の7週間目の超音波スクリーニングを受けたんですね。その時、心臓が脈打っているのをこの目で見たんですよ。ぼくたちの赤ちゃんはビーンのような形をしていて、以来、この日までわたしたちは娘のことをリザ・ビーンと呼んでいるのです」。

なお、ライアンがレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのファンだと明らかにした時、トム・モレロはローリング・ストーン誌に「レイジが過去20年にわたってその音楽を通して怒りをぶつけてきた社会のメカニズムそのものをライアンは体現している」とコメントを寄せていた。

トムはさらに次のように続けていた。「ライアンはレイジのサウンドが好きで歌詞はそれほどでもないと言っている。ぼくとしてはライアンがなにをどう言おうとまったく興味はない。ライアンがどんなバンドを好もうとそれは本人の自由だが、しかし、国庫を1パーセントの富裕層のみのために過激に使っていく政策はレイジのメッセージとは相いれないものでしかない」