ブラジルのクラブで1月27日に起きた火災によって233人もの観客が亡くなる事故が起こった。
クラブはサンタマリアにあるキッス・クラブという店で、Gurizada Fandangueiraというバンドが登場して、火炎を演出で使った際に火の手が上がったとBBCが伝えている。
ちょうどバンドが5曲目の演奏に入った1月27日の午前2時頃に店は出火したが、店ではサンタマリアにあるUFSM大学の新入生歓迎パーティが行われていて、収容キャパの1000人の倍となる観客が詰め掛けていたという。
犠牲者はほとんどが16歳から20歳までの若者だとのことで、会場の防音材が燃え上がって起こった煙に巻かれ、窒息したものとされている。さらに会場には小さな出入口が一つしかなかったため、逃げようとした観客が殺到して圧死した犠牲者も出ていているという。
会場から無事脱出に成功した客のひとり、ミッシェル・パレイラは『Folha de S. Paulo』紙に次のように語っている。
「ステージに上がってたバンドが火炎を使い始めたんですけど、突然、演奏をやめちゃったんです。すると、バンドは観客に向かって天井を指し示したんです。その時点で天井に火が点いてたんです。その時はまだ火が弱かったんですけど、その後、すぐに燃え広がったんです」
その後、救命隊は外から斧やハンマーなどで建物の外壁を破壊して閉じ込められた観客の救助に当たったというが、クラブのトイレからはトイレの扉を非常口と勘違いして殺到した観客が50人ほど遺体となって発見されている。
市の遺体収容施設では遺体を収容しきれないため、地元のジムが臨時に遺体安置所として使われているという。また、117名の生存者が病院で手当てを受けた。
Gurizada Fandangueiraについてはメンバーの5名は無事だが、バンドのアコーディオン奏者は今回の火災で命を落としている。
今回の火災は2000年に中国の洛陽のダンス・クラブで火災が発生し、300名の犠牲者出た事故以来の惨事だとされている。2003年にはアメリカでグレイト・ホワイトが放った火炎演出がやはり防音材を発火させ、100名もの犠牲者を出す事故となった。
(c) NME.COM / IPC Media 2012