元クラッシュのミック・ジョーンズ、リヴァプールの名誉市民に

元クラッシュのミック・ジョーンズ、リヴァプールの名誉市民に

元ザ・クラッシュのミック・ジョーンズは名誉スカウサー(リヴァプールっ子)の称号を贈られたという。

今回の褒賞はリヴァプール名誉市長シャロン・サリヴァンから贈られたが、ヒルズボロ・スタジアム圧死事件解明のためのチャリティ・シングルとしてリリースされたザ・ジャスティス・コレクティヴの“兄弟の誓い”にミックが大きな貢献を果たしたことを評したもので、ミックとともにプロデューサーを務めたガイ・チェンバースも同じ称号を贈られている。

ヒルズボロ・スタジアム圧死事件は1989年にリヴァプールで開催されたサッカーの試合中にヒルズボロ・スタジアムで起きた将棋倒しによる大惨事で、96名のサッカー・ファンが命を落とすことになった。これまで警察と事件を報道した『ザ・サン』紙は一部のフーリガンやファンの煽動によって将棋倒しが起きたと主張していたが、実際には警察の現地での場内整理の不備が原因だったと最近の再調査によって発覚し、警察が当時の証言などを改竄し、『ザ・サン』紙とともに事件の真相の隠蔽を図っていたことが露見している。

ジャスティス・コレクティヴは事件の真相と責任の所在の解明を求めるヒルズボロ・ジャスティス・キャンペーンを支援するためのアーティストの集まりで、ホリーズのカヴァーとなる“兄弟の誓い”を昨年のクリスマスにリリースし、見事1位に輝くことになった。ミックはジャスティス・コレクティヴ立ち上げの初期にイニシアティヴを発揮したことが今回高く評価されたという。なお、シングルの収益は事件の遺族の支援に当てられた。

ザ・ビートルズを擁したリヴァプールのクラブとして有名なキャバーン・クラブで開催されたイヴェントに出演したサリヴァン名誉市長は、ミックとガイについて次のように語ったと『リヴァプール・エコー』紙が伝えている。

「ふたりはリヴァプールの出身ではないですが、リヴァプールの音楽遺産に多大な貢献を果たしてくれています。ふたりのことはこれからは喜んで名誉スカウサーと呼ばせていただきたいと思います」

ミックはまた、リヴァプール出身のザ・ファームの面々と同じ趣旨からジャスティス・トゥナイトを結成し、ツアーも行ったが、今回の称号授与について次のように語っている。

「関われただけでも光栄に思ってるよ。今回の事件の話を聞いた時から、一肌脱ぎたいと思ってたし、リヴァプールを訪れるのはいつだって楽しいからね」

なお、ジャスティス・コレクティヴにはミックのほか、ポール・マッカートニー、ビーディ・アイのクリス・シャーロック、ロビー・ウィリアムズ、ザ・キャストのジョン・パワーズ、『X・ファクター』出身の歌手のレベッカ・ファーガソン、パロマ・フェイス、スパイス・ガールズのメラニー・C、ポーグスのシェイン・マガウアン、ザ・ファームのピーター・フートン、ジェリー・アンド・ザ・ペースメイカーズのジェリー・マースデンらが参加した。

(c) NME.COM / IPC Media 2012
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