ジョン・レノンがポール・マッカートニーとリンダに宛てた手紙がオークションに

ジョン・レノンがポール・マッカートニーとリンダに宛てた手紙がオークションに

ザ・ビートルズ解散後にジョン・レノンがポール・マッカートニーと妻リンダに宛てた手紙がオークションに近く出品される。

オークションはプロファイルズ・イン・ヒストリーという業者が取り仕切るもので、1971年にしたためられたとされているこの書簡はおよそ4万ポンド(約588万円)で落札されるのではないかと見込まれている。競りは5月30日に行われる予定だ。

プロファイルズ・イン・ヒストリー社では昨年もジョン・レノンからエリック・クラプトンに宛てた手紙のオークションを行っていて、その抜粋は次のように紹介されていた。

「ぼくたちは同じような糞みたいな状況や痛みを潜ってきていてきみがそういうものを経験してきているのをぼくは知っている。そこに関してぼくたちはお互いに支え合えられるんじゃないかと思うよ。でも、エリック、なによりもぼくにはきみのなかのすごいものを、実際にはきみの音楽の中で表れていたもっととんでもないものを引き出せると思うんだ。同じように、ぼくたち全員のすごさをひきだしたいとぼくは思っていて、もしみんなが一緒になればそれはきっとできると思うんだ」

しかし、ジョンの手紙が必ずしもオークションで高額に競り落とされるわけではないと『NME』では指摘していて、ジョンがポールとリンダに宛てた今回とは別の手紙が昨年クリスティーズで最低落札価格の6万3千ポンド(約926万円)まで及ばなかった事例を引き合いに出している。この手紙は6枚に及んでビートルズの解散とジョンとヨーコの扱いについてかなり激しく糾弾する感情的な内容となっていて、実際にはポールのもとへは送られなかったものではないかとも見られている。

その手紙では「ヨーコとぼくが一緒になってからきみやぼくの心優しく利他的な友人たちの数々がぼくたちにやってきた仕打ちの数々についていつか気づいてもらえれば嬉しいよ」と述べたうえでジョンはポールとリンダが2年以内に別れるだろうと予想し、次のように諭している。

「きみはさ、今日のアートがビートルズのおかげで成立しているって本気で言ってるわけ? ポール、きみがそこまで頭がおかしいとはぼくも思いたくないんだけど……ぼくたち、いつも話してたよね、ぼくたちはあるムーヴメントの一部だけど、そのすべてではないんだって。自慢のゴールド・ディスクから意を決して跳べ!」

そして、ジョンは「とは言いながらも、きみたちふたりのことを愛してるよ。こちらのふたりより」と締め括っている。

今回のオークションではほかにマリリン・モンローやドゥワイト・アイゼンハワー大統領の書簡なども出品されるという。マリリンのものはアクターズ・スタジオの著名な演技教師のリー・ストラスバーグになにを学ぼうとしているのか自分でも集中できないと打ち合ける相談の手紙で、アイゼンハワーのものは第二次世界大戦中にヨーロッパ方面連合軍総司令官だった頃に妻メイミーに宛てたものだとか。

(c) NME.COM / IPC Media 2012
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