自身の資産を正確にラップしているラッパーは誰か? 米『ビジネス・ウィーク』誌が試算

自身の資産を正確にラップしているラッパーは誰か? 米『ビジネス・ウィーク』誌が試算

7月8日にニュー・アルバム『マグナ・カルタ…ホーリー・グレイル』をリリースしたジェイ・Zだが、アルバムの10曲目に収録されている“Versus”というインタールードでヒップホップMCがいかに自身の値打ちを大袈裟に語っているかをラップしているという。

「俺の繰り出すくだりは真実なのに/対しておまえの資産価値のたとえときたら」とジェイ・Zはありがちな大ボラMCを皮肉っているが、アメリカの『ビジネス・ウィーク』誌はラッパーたちのライム中の資産価値と実際の資産価値の比較グラフを作成して公開している。

グラフはそれぞれのMCの作品でのライムと、経済専門誌『フォーブス』のヒップホップ・アーティストの資産価値調べをもとにしていて、それによれば、最も大ボラ・ラッパーとして認定されているのがピットブルで、ライム中の自称資産価値10億ドル(約1000億円)に対して実際の稼ぎは950万ドル(約9億5千万円)となり、実際の資産価値は自身のライムの0.95パーセントしかないことが判明している。

ピットブルの次点につけているのは、ニッキー・ミナージュで、ライム中の「10億ドル(約1000億円)」に対してニッキーの実際の稼ぎは1550万ドル(約15億5千万円)とこちらの実勢資産価値/ライム中の自称資産価値は1.55パーセントとなっている。どうもラッパーだとビリオンという単位を使いたくなるようで、それでどうしても自分の稼ぎは10億と言ってしまう傾向があるという。

しかし、さすがに大物になってくると話は違ってきていて、ディディことパフィ・コムズになると、ライム中の資産価値10億ドルに対して実際の稼ぎは5億8千万ドル(約580億円)となり、実勢資産価値/ライム中の自称資産価値はなんと58パーセントで、42パーセント分だけ下駄を履かせていることになる。

では、問題のジェイ・Zはどうかというと、「ビリオン」に引っ張られず、きちんと5億ドル(約500億円)とライムで自分の資産を語っていて、実際の稼ぎは4億7500万ドル(約475億円)と限りなく一致していて、“Versus”で主張している通りになっている。実勢資産価値/ライム中の自称資産価値も95パーセントとかなり正確なライムになっている。

その一方で、NASは昨年の“ノー・イントロダクション”で自分の資産価値を2億ドル(約200億円)と言ってみせているが、アメリカの国税庁への滞納額が現在600万ドル(約6億円)あるので、実勢資産価値も-600万ドルとなっている。

なお、『ビジネス・ウィーク』誌の調べで最も謙虚なMCとして挙げられているのがドクター・ドレーで、ライムで自身の資産価値を数百万ドルと語ったのに対して実際の資産価値は3億5千万ドル(約350億円)となっている。ただし、このライムそのものは1997年の“ビーン・ゼア・ダン・ザット”からのものなので、疑惑の余地も残っているという。

各MCのライム中の自称資産価値と実勢資産価値比較グラフはこちらから→
http://www.businessweek.com/articles/2013-07-09/jay-z-is-right-most-rappers-are-lying-about-their-money
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