メタリカ、EDMは自分たちの影響を受けているんじゃないかと思う時があると語る


9月27日に3Dライヴ映画『Metallica: Through the Never』を公開するメタリカだが、ギターのカーク・ハメットはダブ・ステップや現在のエレクトロニック・ダンス・ミュージックについて、自分たちもいくばくかの影響を与えているのではないかと語っている。

カークとラーズ・ウルリッヒ、ロバート・トゥルージロはMTVの動画インタヴューに答えて、現在の音楽シーンなどについて語っているが、カーク・ハメットはEDMの速さやBPMについて特にメタリカとの共通点を感じると次のように語っている。

「面白いのはエレクトロニック・ダンス・ミュージックの速さというか、BPMに俺たちがどれだけ影響を与えているのかなということでね。というのも、ある時期まではメタリカというのは世界で最も性急なバンドだったわけだからね。音楽業界で最も速いバンドといえばメタリカだったし、俺たちのそういうところを見倣う連中もたくさんその後登場したわけだからね。同じようにエレクトロニック・ダンス・ミュージックではものすごくビートが速いから、俺たちに影響を受けたりしているのかなって思ったりするんだよ。今の音楽を作ってる人たちがね」

その一方でロバートはスクエアプッシャーへの傾倒ぶりを次のように語っている。
「俺なんかはスクエアプッシャーのすごいファンで、スクエアプッシャーがこの話題の範疇に入るのかどうかさえ俺にはわからないんだけど、他にもドラムンベースも大好きで、特にその表現の枠を押し広げているようなことをやってるものが俺は好きなんだよ。あと他のジャンルの音を導入してる時とかもね。ジャズとか、ファンクとかさ。俺なんかはスクエアプッシャーがファンクのリズムやベースラインでやろうとしていることがすごい好きなんだ。俺にはすごく刺激になるし、それと同時にパンク的な意味合いもまたあるんだよね。やってることが完全にイカレてることがあるからね」

ラーズは特にスクリレックスに代表されるエレクトロニック・ダンス・ミュージックについて次のように語っている。
「俺たちが25年前にやっていたことと繋がるものを感じるわけだけど、なんだかアーティストとファンとの間にものすごく強烈な関係が成立しているように思うんだよね。で、それがすごくいいことだよね。特に音があれだけ純化されたようなところがあるとね」

「スクリレックスは2年前にサンフランシスコでやったフェスティヴァルで観たんだけど、もう完全にぶっ飛ばされるような体験だったね。それはスクリレックスのやってることだけじゃなくて、あの経験そのものがぶっとびだったということなんだ。3万人くらいの14歳くらいの連中が完全にイッちゃってて、それを目の当たりにしたわけだからさ。かなりヤバいものだったから、すぐに俺たちのフェスを一緒にやってくれてる連中に連絡して、スクリレックスを絶対に入れてくれって話して、おかげで去年のフェスには出演してもらえることになったんだよ。おかげさまで(笑)。だから、俺たちとしてはどんな連中とでも全員とやってみたいんだよね。ベースネクターでもスクリレックスでも、いろんな人たちとね。この間もDJファルコンを数週間前に中国で観たんだよね。とにかく、これはすごいムーヴメントなんだよ」

なお、今後の活動の見通しについてカークは次のように語っている。
「計画ではこれから新作に取りかかるということなんだ。今年から来年にかけてという感じでね。すると、スタジオに入ってクリエイティヴな作業を始めることになるから、数ヶ月経った時点でちょっと空気を入れ替えるためにもどっかでライヴをやるのもいいかもね。ちょっとクリエイティヴな現場いったん離れるというか。その方がクリエイティヴな作業のためにもなるし、なにかをずっと書いたり、レコーディングしようとする作業から離れて、ただ演奏する状態にバンドを戻すのもすごく楽しいからね。だから、サマー・フェスティヴァルとかに出演するのは俺たちにとってもすごくいい形での気の紛らわし方というか、気分転換にもなるんだよ。だから、来年はヨーロッパのフェスに出ることになるんじゃないのかな」

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