チェスター、リンキン・パークとストーン・テンプル・パイロッツの棲み分けを語る
2013.10.08 20:45
新ヴォーカルにチェスター・ベニントンを加えた体制で初となるEP『High Rise』を10月8日にリリースするストーン・テンプル・パイロッツだが、チェスターの活動のなかでのリンキン・パークとの折り合いや棲み分けについてチェスターや両バンドのメンバーが語っている。
ストーン・テンプル・パイロッツのロバート・デレオはチェスターとのセッションについて次のように『ビルボード』誌に振り返っている。
「スタジオではいろんなアイディアが湧いて出てきている感じでね。すでにインスピレーションをすごく受けた実感があるよ。実際、EPならもう1枚分くらいはできてるんだよ。だから、この数か月チェスターと一緒にいたことで達成したことはたくさんあるんだ。俺たちがこれまで長い時間をかけてやってきたことよりも全然多くのことをやれたと思うよ。ただ、なにかを捻り出そうと急いたところは全然なかったよ。アルバムを1枚作れるだけの時間があったらよかったんだけどね、でも、近いうちにもっと音楽を作っていくことになるから。どうせやるなら制作するものは最高のものにしたいし、俺たちは今回の作品を作るにあたって本当に心から楽しませてもらったんだよ」
その一方でリンキン・パークは新作制作に乗り出したことが明らかになっており、今後はストーン・テンプル・パイロッツの活動が危ぶまれると思われがちなところだが、そこは「両バンドがいい関係にあるから、お互いに尊重し合ってもらっている」とチェスターは説明していて、プライオリティはあくまでもリンキン・パークにあるということもストーン・テンプル・パイロッツには了解してもらっていると次のように語っている。
「俺のプライオリティはいつでもリンキン・パークにあると知ってもらわなければならなかったんだ。俺がストーン・テンプル・パイロッツとしてやるどんなことも、バンドとしてのリンキン・パークにとってどんな形であっても差し障りがあってはだめなんだ」
ロバートもそのことは了解していると次のように語っている。
「そう、チェスターの一番の関心はリンキン・パークにあるからね。でも、リンキン・パークでチェスターが忙しくなると、ディーン(・デレオ)とエリック(・クレッツ)と俺とで新しい音楽を作っていく機会にもなるからね。で、チェスターの身体が空けば、俺たちとまた作業を重ねて、というふうに、持てる時間を最大限まで有効に使ってるんだよ。チェスターが俺たちにどういうふうに言ってきたかというと、このバンドに一部になりたいということ、そして俺たちの過去のカタログをしっかり尊重していきたいということ、その上で前に進んですごい音楽も作っていきたいっていうね。どういう人物なのか、よくわからせてくれる言葉だよね」
その一方でリンキン・パークでもチェスターの活躍を好意的に支持していることをマイク・シノダは次のように説明している。
「チェスターは本当にこっちを気遣ってくれたからね。行動を一切動かす前に、まずバンド全体の了解をきちんと取ってくれたからさ。チェスターはずっと前からあの音が好きだし、あの連中のことも好きだからね、チェスターには本当に楽しいことなんだよ。それで一緒にライヴもやってレコーディングもやって、で、今度は今、俺たちとスタジオにいるっていう寸法なんだ」
ただ、リンキン・パークとストーン・テンプル・パイロッツのジョイント・ツアーというようなものは実現しないだろうとマイクは次のように語っている。
「もちろん俺だってそういうことは考えたよ。でも、個人的にそんなことまでチェスターにはやらせたくないよ。それってプロ・スポーツ選手にダブル・ヘッドライナーをやれって要求してるようなもんだからね。(NBAの)コービー・ブライアントやレブロン・ジェームズがどれだけすごい選手だったとしても、毎日ダブルヘッダーで試合に使ってたら、間違いなく疲弊しちゃって使い物にならなくなるよ」