フーのロジャー・ダルトリー、最後の世界ツアー後もフーの活動は続けると語る


先頃、2015年に世界ツアーを敢行してツアー活動から引退すると明らかにしたザ・フーだが、ロジャー・ダルトリーはツアー活動をやめたとしても、活動自体をやめるわけではないと明らかにしている。

ロンドンのハマースミスで行われたアルバム『トミー』のメイキングのドキュメンタリー作品『Sensation-The Story of the Who’s Tommy』の上映会に出席したピート・タウンゼントは、会場で「50周年記念(2015年)には世界ツアーをやろうと思ってるんだ。これが俺たちにとって最後のデカいやつになるよ」と語って物議を醸すことになったが、ロジャーはだからといってザ・フーが終わることにはならないと語っている。『ビルボード』誌にロジャーは次のように語っている。

「俺としてはピートが言ったことを明確に説明する必要があると思うし、俺たちが言いたいのは、これ以上は数か月に及ぶ長期間の大規模なツアーはもう続けられないということなんだ。ほんの一部だけでもものすごい重労働なんだよ。だから、ここで現実的にならなきゃならないんだ。今度のツアー(昨年末から7月までの『四重人格』ツアー)でバンドは過去数年で最も好意的なレヴューを得ることになった。もちろん、やっていて途轍もなく楽しかったよ。ただ、途轍もないほど疲弊もしたわけで、自分たちの年齢についても現実的に考えなきゃならないんだよ。でも、だからといって、今度のツアーがザ・フーにとって最後の活動になるわけじゃないんだよ。イヴェントはこれからやることになるんだから。ライヴもこれからもやっていくよ。他のことをもっと実験的な形でやるかもしれないし。劇場でなにかやるかもしれない。その場合はもっとスケールの小さい規模のライヴにして一都市に2、3週間くらいいてもいいよね、そうすれば都市から都市へと追い立てられなくてもいいからね。ステージの喜びは素晴らしいものだけど、毎日毎日の移動は本当にしんどいものなんだよ」

また、自身でも10代のがん患者を支援するティーンエイジ・キャンサー・トラストを主催しているロジャーは、チャリティなどのイヴェントでは、これからもザ・フーとしてパフォーマンスを行うつもりだと明らかにしていて、ザ・フーは昔からチャリティ・ライヴに協力してきたし、それはこれからも変わらないと説明している。

2014年に結成50周年、15年にはデビュー50周年を迎えることについては次のように心境を語っている。
「どんなバンドでもこの業界でこれだけ長く生き延びるというのはすごいことなんだよ。この業界ではろくでもないことがたくさんあるし、自分たちでも実際に経験してきたことについて思い返すとね、生き延びてきたこと自体に驚いちゃうくらいだからね。その過程で俺たちは二人失って(キース・ムーンとジョン・エントウィッスル)、ザ・ローリング・ストーンズは一人失った(ブライアン・ジョーンズ)わけだよね。残りの俺たちが今まだ生きているというだけでも驚きだよ」

なお、当座の活動の予定としてロジャーは1992年以来となるソロ作品の制作を考えているといい、ピートはこれまでも取り組んできているコンセプト・アルバム『Floss』に引き続き精を出していくはずだと語っている。さらにロジャーはティーンエイジ・キャンサー・トラストをアメリカでも展開していて、現在10代患者への支援制度を病院2ヶ所で行っているが、これを25ヶ所にしていくことを目指しているという。