ボブ・ディラン、インタヴューの発言が人種差別的だと批判され訴訟を起こされる

ボブ・ディラン、インタヴューの発言が人種差別的だと批判され訴訟を起こされる

ボブ・ディランが「人種差別」を問われているという。

ボブが人種差別的だと訴えているのはフランスで活動するクロアチア系住民の団体で、『ローリング・ストーン』誌フランス版に掲載されたボブのインタヴューにおけるボブの発言が差別的だとして訴訟を起こしている。

ボブはこの記事の中で現在のアメリカと19世紀の南北戦争時のアメリカを比較して次のように語っている。

「うーん、どう説明したらいいのかわからないんだけどな。たとえば……アメリカは奴隷制のせいで自分で自分を破壊したようなことなんだよ。アメリカ合衆国(北軍側)としては奴隷制廃止を諦めるわけにはいかなかったんだね。どんなことがあっても撤廃させなければならなかったんだ。力づくで奴隷制そのものを根こそぎなくす必要があったんだよ。それで大勢の人が殺されたわけだ。50万人くらいになったのかな? 奴隷制をやめるのに大量の破壊が伴ったんだよ。実際問題として起きたことはそういうことだったんだよ。

とにかく、この国は人種という問題になるとイカレてるんだよ。誰しもの気持ちが動揺する問題なんだよ。人種が違うからといって、相手の喉を掻っ切り合いかねない。狂気もここに極まれりっていう問題で、これはどんな体制の国だったとしても足かせとなるよ。あるいはどんな地域社会にとっても足かせとなるさ。どんなもんだってそうだよ。黒人にはね、白人の中には奴隷制を諦めたくなかった白人が存在していたことがよくわかってるんだ。そういう白人の言う通りになったら、自分たちは今でもまだ首を繋がれたままだったかもしれなかったわけだし、そういうことについては知らないふりなんかできないものなんだよ。

相手の中に奴隷主の血やクー・クラックス・クランの血が流れてたら、黒人にはそれがわかるんだよ。そういうことがいまだに続いてるんだ。それはユダヤ人がナチスの血を嗅ぎ分け、セルビア人がクロアチア人の血を嗅ぎ分けられるのと同じことなんだよ」

このクロアチア人についての言及に問題があるとして、フランス・クロアチア人協議会がボブ・ディランと『ローリング・ストーン』フランス版に対して訴訟に動いている。フランス・クロアチア人協議会のヴラティコ・マリ事務局長は「これは憎悪を煽情する発言となっています。クロアチア人の一部の戦争犯罪人と全クロアチア人を比較することなどあってはならないことです。しかし、わたしたちは特に『ローリング・ストーン』誌そのものや歌手としてのボブ・ディランに対して反発を感じているわけではありません」

(c) NME.COM / IPC Media 2013
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