モリッシー、野生動物禁猟を呼びかける前日に猪猟に出かけたウィリアム王子を批判


動物愛護の観点からイギリス王室における猟の習慣などを批判してきたことでも知られるモリッシーだが、ウィリアム王子が動物の密猟と密輸への批判と動物保護を求めるスピーチを行ったその前日に、実はスペインで弟ヘンリー王子ことハリー王子と猟に興じていたことを批判している。

ウィリアム王子がスピーチの題材にしたのは絶命危惧種指定の動物で、今回の猟の対象となったのは鹿と猪とどれも合法的なものだとのことだが、今回の猟は動物保護活動家としてのウィリアム王子のイメージを損なうものになっていると一部では伝えられている。

「毎度お馴染みの話題だというのはわかっているけど、これがまだまだ続くんだよ」というタイトルでファン・サイトの「True To You」にコメントを寄せているモリッシーは「もはや彼らの猟銃が彼らの顔を目がけて暴発することを願うしかない」と痛烈に批判している。

「動物福祉を代弁して(!)公共スピーチを行ったその前日に、そのウィリアム王子当人がスペインで(ハリー王子と)好きなだけ鹿と猪を撃ちまくって殺し続けていたとは! ウィリアム王子のスピーチ(間違いなくクラレンス・ハウス〔父親のチャールズ皇太子の公邸の名前。皇太子の侍従スタッフの通称でもある〕の広報スタッフが作成したもの)はあくまでも絶滅危惧種に限定したものだということだけど、ウィリアムはウスラバカすぎて、虎や犀などの動物が絶滅の危機に瀕しているのは自分と弟にそっくりな輩がスポーツと駆除という名目でこうした動物を世界の地図の上から抹殺してきたからほかならないということにまるで気づきもしていないのだ。どんな動物でも頭を猟銃で撃てば結果はどれも同じで、動物が死んだことになるだけだ。ウィリアムが何の罪もなく防御の手立てもない鹿や猪をどうして殺そうとするのかということはこの際どうでもいい。問われるべきなのはウィリアムがそういう行為をしているという事実の方で、どうしてイギリスの支配階級にはいかなる形でも暴力を振るうことが許されているのかということをぼくたちは問い続けなければならないのだ。特権的な階級に生まれた人たちは自分たちに敵意が向けられるのは妬みのせいだと考えがちだが、このイギリスのおでき一家はイギリスにとって桁外れな辱めを見事なまでにいやおうなしにみせつけてくれる。スペインへの旅行は不本意どころの話ではないが、イギリスの納税者が賄ったもので、ぼくたちもよく承知しているように、おでき一家の振る舞いがどれだけ極悪で偽善的なものであったとしても、イギリスのプレスは彼らの悪行を擁護し正当化することを義務としているのだ。それでもぼくたちの間の良識は、いつもその意見を表明することを許されてはいないものの、絶滅危惧種のような動物が危機に瀕しているのはただ単にウィリアムとハリーのような人間のせいでしかないということ、したがってぼくたちにできることはただ、彼らの猟銃が彼らの顔に向かって暴発することを願って祈るしかないということをよく知っているのだ」