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 文字通りステージ上で火花を散らした奇才たちがステージを降り、MOON STAGEの空気がまたもや一変。力強さとぬくもりに溢れたグッドメロディを武器に、着実にその実力と人気を伸ばしてきた5人組、COMEBACK MY DAUGHTERSの登場だ。序盤、ひたすら優しいフレーズを奏でるギターとキーボードが絡み合って胸を締めつける“Bite Me”に聴き入りながらふとフロアを見ると、一番後ろまでしっかり埋め尽くされていた。まだ彼らを知らない人も、この切ないメロディに引かれて集まってきたのかもしれない。“I Know Your Love”では手をワイプして、 “Fully Closed And Naked”ではハンドクラップ&シンガロングして、みんなでこの優しい音楽に包まれる喜びを噛み締めている。中盤で披露された新曲は彼ら持ち前の心惹かれるメロディはもちろん、みんなで手を取り合って歩きたくなるような明るいポジティヴィティに溢れていて、今、この瞬間を握り締めてとっておきたくなるような大切な空気をもった素晴らしい1曲。いつもよりトバした演奏が印象的だったが、それは音に込められた想いもいつもより大きかったからだろう。全ての音に心奪われるライヴだった。
 そして、満場のオイコールの中現われたのはDOPING PANDA。演奏が始まる前からFURUKAWAとコール&レスポンス、ハンドクラップでいきなりステージとフロアの一体感は最高潮! そのうえ、アッパーでハッピーでロックでポップで最高に踊れる音楽が、全身をうずうずさせるから興奮が止まらない。で、MCでサプライズが起きた。会場のみんなに手を上げさせ、おもむろに「5、4、3、2、1」とカウントして指を折らせ――「ハッピーニューイヤーッ!」って、アンタなにがしたいんだ! わけわからんけどめっちゃ面白いし、みんな沸きに沸いている。 追い打ちをかけるように“GAME”でもコール&レスポンスを繰り広げ、開放感に満たされまくって会場みんなで騒ぎまくる。続いて演奏したのは焦燥感と儚さを帯びた “Go the Distance”。ドッカンドッカン盛り上げるだけじゃなくて、バキバキ弾き倒すソロと洗練されたアンサンブルでしっかり聴かせてくれるのがニクイ。そして再びアゲまくって、ラストまで一人残さず笑顔で踊らせてくれた。やっぱこの人たち、すごいわ。まるでエンターテイナーとは何か?という命題と戦うかのように、いつでもどこでもとにかく自分も楽しんでみんなも楽しませる。そして楽曲と演奏のクオリティもきっちり高い。そんなワン&オンリーの魅力をこれでもかと見せつけて、自称ロック・スターたちはステージを去った。(今若雄紀)

DOPING PANDA
1 Intlogical
2 Mr.Superman
3 Start me up
4 Tabloid Pub Rock
5 GAME
6 Go the Distance
7 Uncovered
8 Transient Happiness