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 サウンドチェックからして挑戦的だった。とにかくバスドラムの音が半端なくデカイ。会場に響き渡るその鼓動に全身をシェイクされながらバンドを待つ。
 新作『equal』の冒頭インスト曲、“0=ALL”をSEに現われたメンバーはそのまま同アルバムの“FREAK OUT”に突入。大木と浦山が絶唱するコーラスが印象的なこの曲に会場は一気にロック・ムードに豹変。ほんのり赤く照らされたステージと重なる、一斉に振り翳された観客の拳のシルエットが壮観である。エモーショナルに昇華するハードなリフが容赦なく男泣きを誘う“アイソトープ”に続き、ベースドラムが連打され、会場に再び激震が走る。“赤橙”だ。激しく、うるさく、乱暴なサウンドに隠された、アシッドマンの独特なセンチメンタリズムがひときわ輝かしいこの代表曲は大合唱を呼ぶ。だが、なんせ音がデカすぎ。もはや場内は、バンド対オーディエンスの熱狂対決。お互い一歩も譲ることなく、渋めの“イコール”、メロウな“リピート”、男気溢れる“暁を残して”、エクストリームな“飛光”、と場内ガチンコ状態はヒートアップするばかりである。
 それに終止符を打ったのが、『equal』のラスト・ソングでもある“廻る、巡る、その核へ”。この曲を締め括る3分以上のノイズ魂には、もはや手も足も出すことは不可能。精悍な暴力とでも言うか、バンドに潜む狂気と正義感が美しく錯綜する、その剥き出しのロック魂を前に、われわれはただ呆然とするしかなかった。彼らがステージを去ってからも延々とこだまするノイズはあまりにも圧倒的すぎた。完敗だ。(内田亮)

1 FREAK OUT
2 アイソトープ
3 赤橙
4 イコール
5 リピート
6 暁を残して
7 飛光
8 廻る、巡る、その核へ