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サウンドスケープという言葉がこれほど似合う日本のロックバンドは、いま、彼ら以外にちょっと思いつかない。ニューアルバム『LIFE』のリリースとそのツアーを経て、幕張のステージにやってきた彼らは、その表現をますます研ぎ澄ました筋肉質のロックの塊だった。光、時間、生命、宇宙、祈り。彼らの代表曲にはそういう観念的な表現が多いけれど、そこに満たされているのは生々しいほどの感情のうねりだ。あれが楽しいとか、これが悲しかったとか、そういう日常的な共感のほうがロックには向いていると思われがちだけど、そうではない。わずか数分間の起承転結の中に、世界そのものを凝縮できるのだと宣言するように、計算しつくされた楽曲が、計算を超えた音像を作り出す。曲数を重ねるごとに激しさを増していく必殺チューンの連発がフロアに生むのは、まさにトランシーな熱狂だ。どこにもお手本のないロックを思い描きながら、それをひとつひとつ具現化してきた彼らのタフネスと、いい意味での頑固さのようなものを、まさに身体で思い知らされる圧巻のライヴでした!(松村耕太朗)