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 この日のART-SCHOOLはたぎっていた。戦闘モードだった。なにしろ、一曲目にいきなり披露したのは、なんとニルヴァーナのカヴァー“スメルズ・ライク・ティーン・スピリット”である。そのまま“fooligh”“スカーレット”と骨太なグランジ・ナンバーを叩きつけてゆく。初のベスト盤『Ghosts & Angels』と新境地に挑んだミニアルバム『ILLMATIC BABY』を10月にリリースしたばかりの彼ら。セットリストは“ロリータ キルズ ミー”や“DIVA”など過去の曲と、ダンス・ビートを意欲的に導入した“ILLMATIC BABY”やスロウ・ナンバーの“君はいま光の中に”など新作からの曲を織り交ぜた選曲。これまでのキャリアを総括し、新たな地平に進もうとするART-SCHOOLの“今”をそのままぶつけるようなステージだ。「今日は気合いを入れてきましたよ」――そうMCで木下理樹が語っていた通りの、駆け抜けるようなパフォーマンス。ヒリヒリした刃のような切迫感がそこにはあった。投げ捨てたギターのフィードバック・ノイズとオーディエンスの歓声がしばらく鳴り止まなかったのが、とても印象的だった。(柴那典)