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2004年へのカウントダウンに先立つこと数時間。ここ幕張メッセではもう一つのカウントダウンが始まっていた。アートスクール、現行メンバーでの最後の夜。もちろんそんなことになってしまうなんて、このフェスに参加が決まった時にはバンド側も我々もまったく予期してなかった。つい2週間前、『LOVE/HATE』ツアー最終日リキッドルーム公演において事実上の「4人のラスト・ライヴ」を万感の想いとともに終えたばかりにもかかわらず、今夜こうしてこの場に再び揃ってくれた4人にまず最大限の敬意と感謝の気持ちを送りたい。“MISS WORLD”“DIVA”と、まさにベスト・オブ・アートスクールな選曲で表面上は淡々と、でも木下の声も各メンバーのプレイも明らかに感極まった状態で始まったステージ。そして、「この4人のアートスクールは今日が最後になります。皆さん目に刻んでいってください」というMCに続いて「ベース! 日向秀和!」という木下のコールで始まった4曲目“車輪の下”のイントロのベースが弾かれた瞬間、あらゆる感情の爆発がステージ上、フロアで巻き起こった。あとはもうそのエモーションの奔流にまかせるがまま、ラストの“斜陽”まで一気に駆け抜けた。2003年12月31日20時40分、第一期アートスクールは終わった。ありがとう。「最後」なのにそれが最高に美しいっていうのはちょっと悔しいけど、最高に美しかった。これからも4人の活動に期待してます。でも、せめて年が明けるまではこの甘い感傷に浸らせてください。(宇野維正)
涙、涙、涙……。