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「幕張いくぞー!」という、Vo&G光村の掛け声で、“風人”から今日のステージは始まった。どっしりと安定したリズム隊、エッジィなギター・カッティング、声も嗄れんばかりのヴォーカリゼイション、と、ぱっと見たときに抱く繊細さを覆す、堂々としたパフォーマンスだ。“武家諸法度”ではファンキーなベース、ドラム・ソロのインスト・パートで、若手バンドとは信じがたい底力を発揮してみせる。そして「幕張、声を聞かせてくれー!!」という煽りから、グラマラスなギター・ソロ、ブギーなリズム・セクションという展開が色気たっぷりな“THE BUNGY”へ。「前から後ろまでたくさん集まってくれてありがとう! 感謝の気持ちを端から端まで、120%出し切りたいと思います!」という宣言の後に披露した”錆びてきた”では、「幕張、カモーン!」と、さらにエネルギッシュに煽る。続く “N極とN極”では、ひりひりと切なさが駆け抜けるようなエモーションを全開にし、少し違う一面を露わにする。そして、再び「幕張、声を聞かせてくれー!」という光村の声でオーディンスからは美しいコーラスが響き、受け手とまっすぐ向き合うバンドの真摯さがびしびしと伝わるパフォーマンスになった。2ndアルバム『オーロラ』からの楽曲が続いた今日のセットだが、メランコリックな歌い上げの出だしから、サビへ向かってぐっと情感を湛えていく“かけら―総べての想いたちへ―”では、『オーロラ』に焼き付けた進化を表現し切り、ラスト“Broken Youth”で完全燃焼。疾走するだけではなくて、バンドの多面性を立体的に見せていく、そんな地に足の着いた天晴れなライブだった。(羽鳥麻美)