続いてはOVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUNDの登場。リラックスした様子でステージに上がると、まずはしっとりとしたインスト・ナンバー“Love Child”をプレイ。さらに“The Rain”へと流れていき、フロアを和やかな空気で包み込む。MARTIN(Vo&G&Violin)の伸びやかな歌声、TOSHI-LOW(Vo&G)、KOHKI(G)、MAKOTO(B)が生み出す懐の深いサウンドスケープ、RONZI(Dr)、KAKUEI(Per)の繊細なビートが耳の奥へと入り込んでくる。続くカントリー調の“Ankaa”では、フロアから温かなハンドクラップが。もう、「穏やか」とか「平和」とか「幸福」とかいう言葉しか思い浮かばないくらいピースフルなムードに全身の筋肉という筋肉がすっかり弛緩させられてしまう。定番となっているMARTINのMCも絶好調。「こんばんは、安全地帯です。今日は最後までできると思います」といってフロアを笑わせた後は、「こいつ、ノド壊して歌えないんだって」とTOSHI-LOWをイジる。それに促されてマイクをとったTOSHI-LOWは、ヒドイしゃがれ声で「渋谷陽一にプロ失格と言われた。でも趣味なんだから関係なくない?」と切り返す。そりゃあ確かに。決して開き直っているわけではないけれど、OAUのライブにはいつだって「小さいことなんて気にするな」とでもいうようなオープンなマインドが溢れているのだ。その後は前半の穏やかなアクトから一転してアグレッシヴなステージに。アイリッシュ・フォーク調の疾走感あるアンサンブルが炸裂する新曲を経て、“Bamboo leaf boat”などの攻撃的なナンバーを連打。ラストは“Thank you”でハンドクラップ&シンガロングを誘ってフィニッシュ……と思いきや、さらにTOSHI-LOWヴォーカルによる“New Tale”が! 痛めたノドから搾り取るように吐き出される歌声はちょっと痛々しかったけれど、こんなサプライズで2010年最後のプレゼントを用意してくれるあたりは、さすがOAUである。ありがとう、OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND!(齋藤美穂)
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