今や邦楽ロック界にとってなくてはならない存在となったASIAN KUNG-FU GENERATION。メンバーがそれぞれの持ち場につき、後藤は片手を上げながらふらっとステージに現れて、最新曲“夜のコール”でまずは肩慣らし。次の“アフターダーク”で一気にテンションをあげようとしたら、「ごめん、ちょっと機材トラブル」と突然演奏が途切れてしまった。あわてることなく、「みんな、ゆっくり目を閉じて。１曲目がいい感じで終わったっていう感じを想像して」と、“アフターダーク”に再チャレンジ。こんなちょっとしたハプニングはフェスではカンフル剤になるだけ！　ということで、続く“センスレス”“アンダースタンド” “惑星”に、観客はジャンプしたり手拍子したりと思い思いに盛り上がる。さらに、“転がる岩、君に朝が降る”“ループ＆ループ”“藤沢ルーザー”“君という花”というシングル曲連続投下！　後藤のセンチメンタルな声と、メロディそのものがストーリーを持っているアジカンの楽曲は、夕暮れのGRASS STAGEにぴたりとハマる。ラストは“新しい世界”で突き抜けたダイナミズムを見せ、深々とおじぎをして去っていったアジカン。なんだか清々しい気持ちになってしまうライヴでした。（上田智子）