昼間とは打って変わって不穏な雲行きを見せる中、グラス・ステージは超満員!! 昨年一気に日本のギター・ロックの最前線に躍り出たアジカンに誰もが期待している。この天気も僕らの世界も一気に塗り替えてくれよ、と。そして間違いなくバンド史上最高動員のこのステージで、見たこともない感激をおくれよ、と。そして17:40――轟々たる歓声の中、4人が登場!! くる。くるぞ。 「うぉーい!!」という後藤の掛け声でグラス・ステージは拳のなびく大平原と化した。そこへキヨシのドラムが入る。“サンデイ”だ。大平原が恐ろしいほど揺れている。ひとつひとつのキメがずどんずどんと腹に決まり、気持ちいいくらいにソリッドなギターの音に心ゆくまでぶん殴られるような、そんな至上のロック体験。この時点で勝ったも同然だ。続いて“フラッシュバック”、そして“未来の破片”へ!! 何度も何度も観たはずの黄金パターンだが、間違いなく過去最高にバシッと決まっている。先週フジ・ロックで観た時の「心地よく浮かれて突っ走ってる」感じとは全然違う。ここにいる、グラス・ステージ前に集まっている全員の心臓を真正面からひとつひとつ鷲掴みにきている。最高だ。 「こうやってこんなにたくさんの音楽好き、ロック好きと過ごせることを嬉しく思います。こういうことが何年も何年も続いていくといいと思います」と後藤。当初から「自分は倒れてもいいから、その屍を足がかりにみんなが先へ行ってほしい」「自分が受け継いだロックを『次』へ繋げたい」と語っていた後藤。そんな想いが作らせた一大ポップ・ナンバー“ループ&ループ”は、だからこそ今まで他のどこで聴いた演奏より、この3万人の大観衆の前でこそロックだったし、ポップだった。 この辺りから雨の匂いがし始めたが、観客の熱気は全く衰えることなく、発売されたばかりの新曲“リライト”、そして“N.G.S”“アンダースタンド”をがっつりと受け止めている。誰もが観たかったアジカンというバンドの衝撃が、100%ベストな形でここにあるのが、みんな嬉しくて仕方がないんだと思う。そして“エントランス”、“羅針盤”。このアクトも終盤だが、4人の気迫はまだびりびり張っているのがわかる。そして「今日はありがとう!!」とエンディング・ナンバー“君という花”へ――大勝利だ。文句なしの大勝利。「アルバムを、ざっくり言うと10月に出します。最高傑作ができました!!」と宣言した後藤。やつらはまだまだやってくれる!!という濃密な期待感を残して、アジカンのアクトは終わった。そして――いよいよ本日のラスト=ドラゴンアッシュへ!!(高橋智樹) 1.サンデイ 2.フラッシュバック 3.未来の破片 4.ループ&ループ 5.リライト 6.N.G.S 7.アンダースタンド 8.エントランス 9.羅針盤 10.君という花 |
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ASIAN KUNG-FU GENERATION のROCK IN JAPAN FES.クイックレポートアーカイブ