頭のてっぺんから容赦なく太陽が照りつける、灼熱の午後1時――そんな過酷な状況をものともしないタフなオーディエンスが待ち受けるのは、そう、サウンド・チェックで本番さながらの爆音を響かせ、フライング気味にフィールドを沸かせた9mm Parabellum Bullet! 悠然とステージに現れた菅原卓郎(Vo&G)はステージ前に歩み出て深々と一礼、「9mm Parabellum Bulletです、こんにちは!」とご挨拶。そして、4人は息を合わせて一気呵成に“Black Market Blues”へ! 濛々と砂塵を舞い上げながら、オーディエンスは勢いヒート・アップ。さらに“Termination”→“Vampiregirl”→“Cold Edge”と畳み掛け、吉川アニキが盛大にビー・マイ・ベイベーさせたGRASS STAGEをさらなるクライマックスへと引き連れていく(とうに沸点に達したフィールドに、「オィ! 踊ろうぜっ!!」とさらにアジって熱狂させるなんて、どーかしてるぜ卓郎!)。今のキューミリを象徴するように、中盤には「誰も彼もとめられねぇぞー!!」とシャウトして山本リンダの“どうにもとまらない”を放射。滝(G)と和彦(B)はアクロバティックなアクションで超絶フレーズ弾き倒すし、かみじょうちひろの怒涛のツー・バスはどこまでも気持ちを高めてやまない。4人のステージングは、まさしくアンストッパブルな突破力と凶暴性に満ちているのだ。
終盤も「音楽に身を任せていれば楽しくなってくるから、オーケー!? 俺たちのライブを見ててくれよ!!」と叫んで、目の前のすべての障壁を吹き飛ばす衝撃的なまでの轟音でスパート。「祭りは続くぜ!!」と繰り出された“Beautiful Target”、“Discommunication”、そしてラストの“Punishment”と畳み掛けたフェーズは掛け値なしに圧巻だった。「9mm Parabellum Bulletでした、ありがとう!!」と、最後に再び一礼してステージを去った4人。GRASSでも収まり切らないスケール・アップを遂げたキューミリが纏っていたもの――それは、“王者の風格”とでも呼ぶべき堂々たるオーラだった。(奥村明裕)
9mm Parabellum Bullet のROCK IN JAPAN FES.クイックレポートアーカイブ