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SEがかかるや、大歓声や手拍子、メンバーの名を叫ぶ声、腕を高く突き上げる者で、すでに興奮がマックスの状態となった、dustbox。登場するや、「いくぜ、兄弟!!」とJOJI(B&Cho)がさらにキッズをあおり、SUGA(Vo&G)がVサインを掲げ、REIJIのストロングなドラミングとともに、“Right Now”でショーはキックオフ。いきなりのキラー・チューンである。というより、このあともキラー・チューンの乱れ打ち状態となるのだが、とにかく、超高速2ビートと、SUGAのハイトーンに吸い込まれるがごとく、LAKE STAGEには、人が押し寄せてきた。
「お前らと俺たちの間に、壁はいらない。壁を壊せ! 自分の殻を破れ! 目の前の壁を壊せ!」。その力強いSUGAの言葉に、胸が熱くなっているところへ、“Break Through”が叩き込まれる。パワフルな音にKOされるのはもちろんだが、高く、高く、旋回しながらも泣きのツボもがっちりプッシュするメロディに、思わずうるうるときてしまう。泣き笑いなのか、笑い泣きなのか、よくわからなくなってくるが、やんちゃに暴れまわりながらも確実に、いくつかの感情のボタンを同時に押していくバンドだから、ずるい。
「“Right Now”で始まったときは(観客が)半分くらいだったのに、今、見てよ。こんなの初めてだよ」と、JOJIが指差す会場は、いつの間にかオーディエンスで埋め尽くされていた。そして、シンガロングも、ハンドクラップもボリュームが上がり、バンドの馬力がガンガン上がっているのを体感する。終盤までほぼノンストップに近い状態で、ダッシュを続けているような2ビートがまったくブレることなく、かつより強靭になっているのが恐ろしい。百戦錬磨のライヴ・バンドの手本のようなバンドである。
さらに、スケールアップした6thアルバム『starbow』の楽曲や“Hiding Place”が投下され、時速120キロでぶっ飛ばしながらも、さまざまなドラマや景色を見せていく。ライヴ・バンドとしてタフにアンサンブルやバンド・グルーヴを鍛錬するだけでなく、内なる世界を進化・深化させている。なにやらドえらいバンドになっている3人の勇姿に、思わずガッツポーズ。(吉羽さおり)