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いよいよフィナーレに近付いてきたROCK IN JAPAN。続いての登場は、本当に久しぶりのライヴとなるART-SCHOOLだ。木下理樹のkilling Boyをはじめとして、個別でも積極的に活動しているだけに、バンドとしてのART-SCHOOLはどんなライヴを見せてくれるのか、興味が尽きない。オープニング・ナンバーは“車輪の下“。ギターの戸高とベースの宇野がドラム台に上がるのを背に木下が歌う、きゅっとまとまった光景を見ていると、「あぁ、久々であろうともしっかりバンドらしいなぁ」という気がしてくる。続いては“スカーレット”。野外で聴いているからか、彼らの爆音ぶりが際立って感じられる。音そのもので煽られるように、続々と挙がっていく手。その熱狂を見て木下が、小さな声で「ありがと」と呟いた。
戸高の「こんばんは、ART-SCHOOLです。涼しくなってきましたね。よろしくお願いします」という短いMCを挟んで後半戦へ。特にイントロでフィールドをざわめかせたのは“あと10秒で”。木下が頭上で手を叩いてハンドクラップを煽り、フィールドを躍動させていく。演奏を終えると、やっと木下がMC。「あ、どうも、こんばんは、ART-SCHOOLです。えー……DJの後にやるって凄いですね(笑)」。そう、木下は今日、DJ BOOTHにも出演していたのだ。さらに続けて、「久しぶりのライヴなんで、やれてよかったです……そうだなぁ、来年また会えたらいですね」って、また待つのかい!? オーディエンスからも「えー!?」という声が上がっていたが、さらりと「ありがとうございました」と言って、ラストナンバーの“ロリータ キルズ ミー”へ。終盤、ドラムの鈴木が立ち上がって強烈な一打。木下はステージ前でフライングVを突き出し、宇野と戸高もステージを駆け巡る。初期の曲ばかりだったところもあって、暴力的で美しい時間だった。最後、木下はガッツポーズして去っていった。(高橋美穂)