昨年も真っ昼間のレイクステージをひんやりとした鋭い冷気で、一気にシフトチェンジさせてくれたART-SCHOOL。2人のメンバーチェンジというバンドにとってもファンにとっても大き過ぎる紆余曲折を経た今、新生ART-SCHOOLが見せてくれるのはどんな風景なのだろうか。 14:25、一日の中で最も高い位置に昇った太陽が容赦なくレイク・ステージを照らしつける中、ついに彼らが登場した。拳を天に突き上げ4人を迎え入れるオーディエンス。温かい歓声がステージを包み、一曲目“スカーレット”の乾いたイントロが鳴らされる。身体を薄く覆った熱気の膜をぶち破って、直接心臓に一筋の冷気が刺し込まれる。これだよ。ART-SCHOOLはメンバーチェンジを経て、よりしなやかで強靭なサウンドを鳴らすようになった。オーディエンスを突き放すようなあの鋭利さは衰えるどころか、より鋭く磨かれ暴力的なまでに衝撃度を増しているのだ。ここまで確信的で迷いのない音を鳴らされると、もうこの太陽すらART-SCHOOLの冷気を際立たせるためにあるんじゃないかと思えてくる。“RAIN SONG”、“APART”、“あと10秒で”と、このメンバーになってからの音源を立て続けにかき鳴らす4人。このメンバーになってからまだ日も浅いのに、これぞART-SCHOOLという統一された世界観をすでに描くことができているこのバンドのポテンシャルの高さに心底驚かされる。 「意気込みみたいなものは結構、あるんですけど……。うん、まぁ、聞いてください」という木下の不器用なMCにオーディエンスが体中からの声で応える。そこからは、第1期ART-SCHOOLの代表曲を連発。“ロリータ・キルズ・ミー”、“MISS WORLD”、“シャーロット”とさらにバンドは加速していく。冷気を含んだビートが一つの塊となって飛んでくる。「25年生きてきて、こんな暑いライブは初めてです」という木下の誰もが頷くMCを挟んでラストは“SWAN SONG”でフィニッシュ。新生ART-SCHOOL、ロック・イン・ジャパン初登場のステージは、ひんやりとした冷気を残したまま幕を下ろした。木下のフライ ングVがまた空を高く飛ぼうとしているように見えた。(小柳大輔) 1. スカーレット 2. RAIN SONG 3. APART 4. あと10秒で 5. ロリータ・キルズ・ミー 6. MISS WORLD 7. シャーロット 8. foolish 9. DIVA 10. SWAN SONG |
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ART-SCHOOL のROCK IN JAPAN FES.クイックレポートアーカイブ