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    86歳のクリント・イーストウッド、最新作『ハドソン川の奇跡』はなぜ当たり前のように傑作なのか

    アメリカで昨日公開になった『ハドソン川の奇跡』、記録的に大ヒットしてますね。





    今週の土曜日に発売のCUT10月号(今月はいつもより2日早い発売です)には、クリント・イーストウッドとトム・ハンクスのインタビューが載っております。ぜひ読んでほしい。


    ここで書いておきたいのは、なぜこの映画が傑作なのかということ。
    それは、2009年の事件だからまだまだはっきり記憶している人も多い実際のストーリーを再現しつつ、何が本当の「奇跡」なのかを示してくれているからだ。


    つまり、乗客乗員155名が助かったことだけが「奇跡」ではないんです。
    サレンバーガー機長というベテランパイロットが、その職務を全うし、誇りを持って、理不尽な状況の中でも闘いぬいたこと。その人間の在り方そのものが「奇跡」だというのが、この映画の真のメッセージになっている。


    そして、人が誇りを持って生きるのがどういうことかというテーマに於いて、クリント・イーストウッド以上に突き詰めた作品を撮ってきた監督は他にいない。プライド持ってる人間ってカッコいいよね、とかのレベルではなくて、人間は時に神に背いてもなお誇りを貫く存在であるという、そういう極限まで突き詰めた前提のもとに、彼のすべての映画は作られている。だからこそ、今回も素晴らしいのだ。


    ちなみに誌面の方では、インタビュアーの特派員・小西未来が、「再婚の可能性は?」という恐れ知らずの質問までぶつけたりしてます(笑)。必読ですよ!(松村)
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