大好きなバンドが、終わってしまった。でも空虚さや悲しみよりも、不思議な昂揚感にじんわりと包まれるような、そんな余韻が残る最後の武道館だった。
ガリレオは年間平均気温たった7度の稚内市から現れて、10代後半の彼らの青春そのものを音楽と歌に変えて、自分たちが鳴らすべきポップの形にどこまでも誠実に向き合いながら、今日その歩みを終えた。
僕はメジャーデビュー前に札幌の彼らの、半分家のようなスタジオに行って、写真を撮り、インタビューをした。その後も何度も取材させてもらったが、その進化の速度は痛快なくらいだった。メンバーが抜けたり、加わったり、また抜けたりしたけれど、いわゆるUSやUKインディ的なギターロックバンドとして、進化が止まったことは一度もなかった。
今日はそんな彼らの歴史を現在から過去へなぞるようなセットリストで、ここ数年ライブではまったくプレイしていなかった曲も演奏した。そして最後だからとかではなく、1万人以上がぎっしりと詰まった彼らのキャリア史上最大キャパの会場を、堂々と音楽で染め上げる姿が最高に頼もしかった。
ラストライブだけど、メンバーもお客さんもセンチメンタルになりすぎなかったのは、ガリレオがそういうバンドだからとも言えるけど、それだけではない。ガリレオ・ガリレイは今日で「終了」だけど、きっと彼らの音楽は続く。そういう期待すらすでに共有されているような、そんな温かな2時間20分でした。ありがとう。(松村)
ガリレオ・ガリレイがラストライブで鳴らしたもの
2016.10.11 22:15