三池崇史の13本


昨日、三池崇史監督の新作『十三人の刺客』が公開されたけど、これ、ファンが求めるえげつない三池節が、いい具合にメジャー映画にはまっていて、かなり見応えある時代劇なんで、是非、観て欲しい。特に稲垣吾郎の役柄は圧倒的に三池節満載なので、楽しんで欲しい。

結局、実現できなかったけど、この映画の公開に因んで、三池崇史の十三本という企画を構想していた。
ただ、とにかく監督作が多い三池崇史。『DEAD OR ALIVE』や『オーディション』や『殺し屋1』など、想定できる代表作はあるけど、面白かったのは、勝手にラインアップを妄想することだった。特に「多分、入らないだろうけど、でも個人的には絶対に入れたい映画」をひとりで考えては、ひとりでうきうきしていた。
そんな中で、恐らく“代表作”と呼ぶのは無理だろうけど、でも、いつか話を訊いてみたい作品を2本。
SPEEDの島袋寛子をはじめ、SPEEDと当時のDA PUMPのメンバーが全員出演している、SF映画『アンドロメディア』と、遠藤憲一と内田春菊の演技があまりにも秀逸な、家庭崩壊映画の最高傑作『ビジターQ』。
前者は、一応、“アイドル映画”というフォーマットを取っているのに、なぜかクリストファー・ドイルが悪役で出演していたり、ところどころあり得ないぶっ壊れ方を見せて、改めて三池監督の倒錯を味わせてくれた珍作で、後者は、もうここであまりに言葉にしたくないほどエゲツナイ描写が連発するというのに、最後はほんわかとした感動が観たものを包むというファミリー映画。
ともに、忘れられてはいけない三池傑作だと思います。
ああ、いつか実現したいと思います、この手の企画を。(内田亮)

(C)2010「十三人の刺客」製作委員会
CUT 編集部日記の最新記事