気になる映画:フェルナンド・メイレレス最新作”360”
2012.06.11 23:11
フェルナンド・メイレレスの新作”360”(原題)。
ウィーン、ロンドン、パリ、デンバー、スロバキアの首都・ブラチスラバ、リオ、フェニックス――これだけの都市で起こる出来事をひとつのお話に編み上げる群像劇というだけでも「おお」という感じがするけど、そのすべての人間がセックスで繋がっている、おんなじパートナーを経由して繋がったりしている、というか、ある女性の親というかたちでアンソニー・ホプキンスが登場したりする、という実にぞっとする、大変興味深いサスペンスである本作。
ほかの出演者は、レイチェル・ワイズ、ジュード・ロウ、ベン・フォスターなどなど。
トレイラーを観てもらえばわかりますが、少しくぐもったスクリーンの風合いは『ブラインドネス』みたいで美しいし、その一方で、マイケル・ナイマンばりのスタッカートの利いたストリングスがまたいたずらに焦燥感を煽る、つまりはしっかりと魅せてくれる作品になっているはず。
トレイラーはこちらから観てください。 http://www.imdb.com/title/tt1680045/
以下はどうだっていい話ですが、これまたジュード・ロウが自意識過剰で嫉妬深い女好きを演じている『クローサー』が大好きな自分としては、ジュードが不倫とか浮気とかポルノサイトとか不義の関係が連鎖する群像劇に出ている、というだけで生唾を飲み込んでしまうところがある。
『クローサー』、ほんと最高なんだもん。
恋敵に「あ、そうだ、言うの忘れてたわ。おれ彼女とやっちゃったよー」っていきなり言われたとしてさ、泣きます? 普通。
こんなに男心をくすぐってくれる役者ってなかなかいないよ、ジュード。最高。
”360”では愛娘を抱きしめる幸せそうな父親として登場するジュード。って、これ「最終的にはクズ野郎」フラグがバリバリに立ってるよなー。
というわけで、とても楽しみな”360”なんだけど、日本での公開はまだ未定。
メイレレスの映画だし、普通におもしろいと思います。(小柳)