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    なぜアナログ盤は復活したのか?

    なぜアナログ盤は復活したのか?

    『CLASH』に良い記事がでているので、ぜひ。

    http://www.clashmusic.com/features/the-vinyl-revival-from-the-frontline

    熱心な音楽ファンならご存知だと思うのだが、ここ最近、アナログ盤の売り上げが伸びたり、英国内のレコードショップが増えたりしているのだ。

    『Last Shop Standing: Whatever Happened To Record Shops?』の筆者、Graham Jonesによれば、

    「レコード・ショップは激減する一方だったが、2009年から4年の間に店舗数が2009年より多くなるという事態が起き、現在英国には298店ある。

    なぜそんな復活劇が起きたかというと、アナログ盤の売り上げが好調だから。

    (CDなどの)フィジカル・セールスそのものは(2009年から比べると)2012年に13%減になっているが、それに対してアナログの売り上げは18%増になっているのだ。

    それを引き起こしたのは、2007年からアメリカとイギリスで開始された『レコード・ストア・デイ』。4月の第3土曜日に、世界中のレコードショップが、バンドのライブ演奏などを主催したりしてイベントを行うもの。

    そして、店舗だけでなくレコード会社のおかげもあって、2013年には『レコード・ストア・デイ』のために、インディペンデントなレコード店でのみ入手可能な400件限定アナログ盤のリリースがあった。そして、若い世代がアナログを”発見”するというトレンドにもつながった。

    でもなぜ、1年に1日のイベントが、これだけレコードの売り上げに貢献するのかというと、レコードショップに客が列をなしているのが目に見えたりすることで、音楽業界が人々の関心を引きつけているから。さらにはこうしたことを一年に1日だけでなく、毎週できるようになったのである。

    例えばペットショップボーイズは1000枚限定でインディペンデントのレコードショップでのみ入手できる12インチシングルを作った。

    アーティストやレコード会社は、アナログで何かをリリースする際には何か特別なコンテンツを入れて、ローカルのレコード・ショップで購入できるような仕掛けをしてほしい。こういうことがヘルシーな音楽シーンには欠かせないし、レコード店なしでは音楽が停滞してしまうからだ」

    ボーズ・オブ・カナダがレコード・ストア・デイに12インチを世界中のレコードショップにこっそりばらまいた、ミステリアスな復活劇も記憶に新しい。

    何事もそうだけど、忘れるのは本当に簡単であっという間。どうやって他人とモチベーションを分かち合い、大きくしていけるか?が、エンターテインメントにとっても根本的な課題なのだと思う。
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