10年代初頭にシーンを沸かせたポップ・バンド達は方向性を転換せざるを得ず、アートに走ったりポップに徹したりして名実ともに評価されづらくなってしまった2010年代終わり。そんな中でフォスター・ザ・ピープルが生き残れるのはなぜなのか。
その秘密に、来日時の対面インタビューとライブレポで迫ってみました。『rockin'on』次号掲載です。
ポップ・ミュージックをやるからには、聴き手の本能を揺さぶりたい。ロック・バンドであるからには、反逆児であり続けたい。そんな意思のもと、彼らは「踊れるフォスター」を完全復活させ、私たちを取り巻くカオスを乗り越えていくための灯火として祝福のサウンドを鳴らすことに決めた。それが最新作『Sacred Hearts Club』の本質であり、先だっての来日公演でもしっかりと具現化されていた。
昨今のシーンにおいては洗練されたポップ・バンドの代表でありツー・ドア・シネマ・クラブやフェニックスらとファンベースを同じくする彼らだが、その公的なイメージに甘えるのでもなく抗うわけでもない。それはそれで求められるものとしてまといつつ、最終目標としては人力バンドの限界に挑んでいた。それが現れていたのが今回の来日公演だった。
ハードコアからスタートしてCMのジングル・ライターになり宅録ポップへと向かったマークだが、そのどれもが否定できないソングライターの自分として刻まれ、フォスター・ザ・ピープルでしかないものとして確立されているのである。お祭り騒ぎだけをよしとする一介のポップ・バンドになるのではなくロッカーの闘志をたぎらせ真正面から聴き手とコミュニケーションを取るーーそんなフォスター・ザ・ピープルの姿が見られて、心底感慨深かった。
マークのワイルドさにレッチリのアンソニー化?!とSNS上がざわついてましたが、誌面でお確かめください。
rockin'on3月号は明後日2月1日(木)発売。
去年の夏のTVパフォーマンス↓
ロック・バンド、ポップ・バンド不振時代にフォスター・ザ・ピープルが生き残るわけ
2018.01.30 15:30