明日発売のlukiのファーストアルバム、『東京物語』はなぜ聴くべきなのか。

明日発売のlukiのファーストアルバム、『東京物語』はなぜ聴くべきなのか。

lukiの初フルアルバム『東京物語』が明日、11月19日にリリースされる。

これは発売中のJAPANに書いた原稿だが、こちらにも掲載しておきたいと思う。

内容的に言えば、このアルバムはひとつの「事件」だ。なぜなら、ひとりのシンガーソングライターとして、lukiのような感性と表現力をもったアーティストは、今のシーンに皆無だからである。

そんな彼女が全14曲というボリュームで、その才能を全く新しい世界観まで進化させながら、ヴァラエティに富んだ立体的なアルバムを作り上げた。それが『東京物語』だ。


《雪に凍えて 炎天下に焼かれて

今もここに居続ける

他に帰れる場所なんてない

いつもただの東京》(“東京”)

アルバム全体のリード曲であり、冒頭曲でもある“東京”は、lukiが初めてEDMのサウンドスタイルを大胆に取り入れながら、極めて彼女らしい「東京観」を4つ打ちのポップナンバーに昇華させた新機軸である。

東京で生まれ育った表現者のlukiにとって、なんの憧れも恨みもない「変わりゆく居場所」として描かれる東京への透徹した眼差し。それが、結果的に今の彼女の進化したモードを映す、もっとも高性能な鏡としての1曲になっているところが素晴らしい。

「東京」を歌った名曲は数あれど、こういう感性と肉体性が表現されたものはまず思い当たらない。そして2曲目以降、lukiはより豊穣に研ぎ澄まされた1曲毎のサウンドスケープと、その中で描かれる美しい物語へと我々を導いていく。

“曖昧なファンタジー”や“KISS OR KILL”が提示する、最新のエレクトロやR&Bを通過したビートがもたらすロックの攻撃性。“観覧車”や“夜の国のアリス”が誘う、ダークさと楽しさが拮抗するポップの想像力。そして切ないエモーションがロマンティックに歌われる“蝶が飛んだ”や“モノクロームの恋人たち”のバラード。

根岸孝旨、YANAGIMAN、円山天使といったクリエイター陣の支えを得ながら、すべての方向性でlukiのヴォーカルのスピリチュアルな魅力とトラックの創造性が相乗的に響き合っている。

そして、ラスト“100年後のあなたへ”で、lukiのメッセージはこの時代の混沌を超える祈りとなって、再びEDMサウンドを推進力にしながら、どこまでもリアルなひとつの希望を描き出していく。

今、絶対に聴かれるべきこの才能に、次号JAPANではインタヴューで迫る。
ぜひチェックして下さい。

RO69の特集・記事はこちらにも。全曲試聴もあります。↓
http://ro69.jp/blog/ogawa/113501/
http://ro69.jp/feat/luki_201410/

そして! 12月9日には無料招待ライヴもある。
応募は前日まで受け付けているようなので、彼女の世界観に生で触れることのできる貴重なチャンスだと思います。詳細は↓にて。
http://lukirock.com/live (松村)
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