優れた映画やドラマなどのファンタジーにはリアルがあると宮崎一晴(Vo・G)が話していた。クジラ夜の街は「ファンタジーを創るバンド」を標榜しているが、それは突拍子もないことを歌っているという意味ではない。彼らの歌うファンタジーはいつも現実の延長線上にある。
3markets[ ]を「悲しい歌を悲しくなさそうに歌う」バンドだと敬意を表していた。クジラ夜の街とキャラは異なるバンドだが、現実をいかに面白いものとして音楽に昇華するのか、というスタンスを改めて表明するために、このツーマンは必然だったのだろう。
カザマタカフミが好きと言ってくれたからと披露した“End Roll”の《ファンタジックな悲劇なら/芳しくなくてもいいから日常》という歌詞がやけに印象に残った。(有本早季)
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