日々の隙間に射し込む光──Chilli Beans.の新曲“fu uh”、”yesterday”に身を委ねて

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当たり前のように訪れるはずの明日へたどり着くのは、意外と難しかったりする。
日常というのは平均台を渡るようなもので、少しでもバランスを崩すとまたたく間に振り落とされてしまうのだ。
それでもなんとか這いつくばって、もしくは何かに気づかないふりをして、あるいは自分に嘘をついて……。
さまざまな方法で我々は明日へとたどり着いている。

日常と失望、もしくは絶望は隣り合わせで、でもたぶんそのどれもが希望と手を繋いでいるはずで。
ちょっとしたきっかけさえあればいつだって我々は希望を手に明日を迎えることができるだろう。

Chilli Beans.の音楽は、我々の心の奥にある希望にそっと光を照らすような包容力を携えている。
ギリギリのところで日常にしがみついている私たちの心がこれ以上落ちてしまわないように。
しかもそれを気づかせないように、ひっそりと心の隙間を埋めていくから不思議だ。


9月にリリースされた”fu uh”、10月にリリースされた"yesterday”の2曲は、
オルタナティブを宿した高い音楽性を誇る彼女たちのサウンドがMotoの歌声に滲む静的なリリシズムを内包することでノイズさえもクリアに昇華していく。
単調なバッキングと核心を貫くベースライン、心情を歌うギターフレーズが実は奇跡のようなバランスで絡み合っていて、気づけば呼吸が早くなるのがわかるほどに心を突き動かす音楽だ。

12月4日(水)にリリースを控えるミニアルバム『blue night』が描く世界も今から楽しみだ。(橋本創)


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