今回のカエラのツアーは、彼女が音楽で表現したいことが今までで最もはっきりと形になり、それが今までで最も客席にも共有されているツアーだ。
カエラの中ではいつも「かわいい」と「ロック」が矛盾なく当然のように共存している。デビューした頃から、彼女の音楽にはロックへの愛が溢れていたが、多くの人が彼女をかわいいけどロックする女の子だと思っていた。客席からの「かわいい」という声とステージ上のパフォーマンスの間には温度差があった。そしてカエラ自身も歌声の伸びやかさのわりにステージング全体が固かった。
しかし、今のカエラのライヴは全く違う。客席からの「かわいい」の声は彼女の作り出す世界への賛辞としてカエラのロックを支えている。「かわいい」と「ロック」の融合でしか生まれない新しい楽しさは男子にも女子にも深く理解され、日本のロックの新たな主流を生み出している。
そして、カエラは自分が切り開いたその主流の先頭を今、全力疾走している。そんなライヴだった。(古河)