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    ヒルクライムはまだひとりぼっちだ

    ヒルクライムはまだひとりぼっちだ

    先週発売した、ヒルクライムの5枚目のシングル『ルーズリーフ』が好調に売れている。
    『春夏秋冬』でブレイクしてから、シングルは全部バラードだったけど、これはアップテンポで、ポップ。
    バラードからの飛距離を出しつつ、タフでストレートなラップで攻めていくんじゃなくて、カラフルに音数を増やした楽しさとチアフルさを前面に出してるのが、実にヒルクライムらしい。

    僕は彼らにインタヴューする度に、MCのTOCに、君は孤独で寂しい人だと言い続けている。人は徹底的に孤独でひとりぼっちで、だからこそ愛とか確かな関係性に焦がれる。そして、手に入ったはずのそういうものも、結局はすべて過ぎ去る刹那的なものでしかない。彼の歌詞には、すべてそういう思想が横たわっている。そんなことばかり訊いているので、前のシングル『大丈夫』の詞を書いてた時は、僕の取材のことが何度も頭をよぎったそうだ(笑)。

    ただ、面白いなーと思うのは、そういう孤独さを持ちつつ、彼らは「頑張る」「努力する」ことに対してはものすごく素直で前向きなのだ。それはきっと、ハードコア主流の新潟のヒップホップシーンで、ひたすらわが道を貫いてきた叩き上げのキャリアがあるからだろう。今回のシングルは、彼らのそういう面が全開になったいい曲だ。ハードコアでも単なる「優しさヒップホップ」でもない、孤独な彼らだけのポップ道を、きっとヒルクライムは歩いていくんだと思う。

    6月30日発売のJAPANでインタヴューしてます。ぜひ!(松村)
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