Plastic Tree、武道館終了!

Plastic Tree、武道館終了!

いきなり“水葬。”から始まった、プラ三度目の武道館。

13日の金曜日だから?
しかも、お盆で仏滅。
靖国神社、目の前なのに…。

深い青い水の底から始まって、“Ghost”“メランコリック”で一緒に盛り上がり、本編ラスト“―――暗転。”で真っ赤な業火に焼き尽くされて浄化されるまで、独自な世界観に貫かれたライヴだった。

そもそも、武道館のステージの上にテントがある。
というのが面白い。
約束の地、とか、絶対的な権威を持って語られるこのハコを、うつろいゆく場所として描く漂流の感覚は非常に日本人的だし、ロックが持つ本質的な空虚さを自然に体現していると思う。


アンコール前にヴィジョンで流された、バウハウス直系のドイツ表現主義映画のシュールなパロディも面白かった。
フランケンシュタインに扮した有村竜太朗が
「さみしい ともだちほしい」
と語るシーンは絶妙。

また後半の熱気で客席も、メンバーも、いい感じで化粧が落ちてきた、という話をしながら、「V系失格です。溶けてます。でもこの溶けた感じがいいですね」と言っていた。


グランジやらマンチェスターやらネオアコやらドラムンベースやらインダストリアルやらニューウェイヴやら、サウンドはかなり多様だし、ライヴによってかなり選曲が違う。


そんな多彩な楽曲に対して、みんなは立ち尽くしたり、叫んだり、笑ったり、泣いたり、踊ったり、ヘドバンしたりしながら、自由に楽しんでいた。


「ライヴで初めてやる曲があるんですけど――。
一緒に届けてやって下さい。
天国まで行け!」
と言うMCに続いて歌われた“バンビ”の、ポップに振り切った演奏にぐっときた。
今月号のbridgeのインタヴューで、亡くなったお父さんに宛てた歌だと語っていただけに、客席の想いも特別だったと思う。

この曲のギター・ソロがまた聴きどころ!
ちなみにギターのナカヤマ アキラは、ナポレオン・ジャケット風のコートをひらめかせ、ギター・ヒーローっぷりを爆発させていた。

終演後、ヴィジョンにメリメ監督の『月世界旅行』が映し出され、秋のツアー『月世界旅行』が発表された。

写真は、そのbridgeに掲載されたソロインタヴューのものです。
(井上)
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