「僕らの音楽が胸に届いたらまたCDを買って、ライヴに来てください」
ダブルアンコールのラストに山口が言った一見、単純なこの言葉が、今日の2万人ライヴ、そしてサカナクションというバンドを良く表していた。
そして今日のライヴを体験した人はその言葉が持つ強い意味を聞き逃さなかったはずだ。
サカナクションほど音楽に自分のすべてを託すということを自然なこととして行い、音楽にすべてを託せるいろいろな能力を持つ仲間だけがスタッフとして集まり、時代のスピードを追い抜く勢いで音楽を進化させているバンドはいない。
その最新型である今日のライヴは、まさに2万人の気持ちを一つにする驚愕の装置だった。
特に「エンドレス」では、この歌を歌えることへの山口の感謝にも似た喜びが、ひたむきで力強いメンバーの演奏と共に胸の真ん中に飛び込んできて涙腺をしぼりあげられた。
おかげで5体のバッハ人形が登場するというこの日限りのサプライズのとき、涙ぐみながら興奮するという何がなんだかわからない状態に陥ってしまったじゃないか、もう。
その他にも数々のハイライトシーンがあったのだが詳細は、後日行う今回のツアーに関するインタビューと共に11月30日発売のJAPANに掲載します。(古河)