昨年メジャーデビュー30周年を迎えた安全地帯。
「安全地帯 30th Anniversary Concert Tour Encore "The Saltmoderate
Show”」と銘打った全国ツアーの渋谷公会堂公演を観ることができた。
私が参加したのは渋公3daysの中日・27日だったが、とても素晴らしいライヴで、記憶に残り続けるだろう体験となった。
玉置浩二の生の歌声に触れるのは初めてだったが、とにかくその天才的なヴォーカリゼーション、歌の巧さに圧倒された。
いろんな色が混濁しているのに、とても透明。
矛盾しているけれど、彼の歌からそんなイメージを受けた。
ある曲は純粋な少年のように、ある曲は恋慕し激情する男のように、ある曲は大きな腕で包み込む父親のように、表情をさまざまに変えながら、心の芯にまっすぐに届く。
私のようにリアルタイムで安全地帯を観たことがなかった世代こそ、決して褪せることのない美しいメロディと玉置の歌声の凄さに驚いたはずだろう。
観客を楽しませようというショーマンシップも一流で、バンドが築き上げた30年の重みも心に響いた。
ツアーは好評につき、6月に東京・大阪での追加公演が決定している。
ぜひたくさんの人に今の安全地帯を体験してほしいと思う。(小新井)