ダニー・ボイル監督のセックス・ピストルズの伝記ドラマが日本でも7月13日から配信開始! しかしジョン・ライドン+グレン・マトロックは「内容は事実からかけ離れ過ぎている」と英TV番組で断罪!

ダニー・ボイル監督のセックス・ピストルズの伝記ドラマが日本でも7月13日から配信開始!  しかしジョン・ライドン+グレン・マトロックは「内容は事実からかけ離れ過ぎている」と英TV番組で断罪!

★あの『トレスポ』『スラムドッグ$ミリオネア』等で有名なアカデミー賞受賞監督ダニー・ボイル(英マンチェスター出身)が、
70s後期の英国から世界的なムーヴメントを起こしたパンク・バンド、セックス・ピストルズのバンド史を描く最新ドラマ・シリーズ『Pistol(全6話構成)』を制作。
欧米では5月からDisney+で配信を開始した!!!

という近況については現在発売中のrockin'on最新号のコレポン通信でも書きましたが、

★本映像作品『邦題:セックス・ピストルズ』が、
ついに日本でも7月13日からDisney+(ディズニープラス)で独占配信を開始することが発表された。

詳細&予告編トレイラーは以下のリンクから。


このピストルズの最新映像作品については制作が始まった当初から、
脚本や制作プロセスにジョン・ライドン先生が一切関わっていない(筆者も「ライドンは口うるさそうだから外した(!)」というダニー・ボイル自身の発言を読んだことあり)、
ということで「ジョン・ライドン Vs.スティーヴ・ジョーンズ&ポール・クック」の対立が出来上がり、
トラブルが絶えなかった。

「ドラマ中に俺の名前ジョニー・ロットンやヴィジュアル・イメージを使い、
”パンク=反体制”の図式を確立した俺の歌詞を含むピストルズの曲が大々的に使われているのに、
俺を制作プロセスから外すとは言語道断! ドラマ中でピストルズの曲を使うことは許さん!」

ということで昨年、裁判沙汰にまで発展。

が、98年に交わしたピストルズ内の合意で「ピストルズの曲の使用はメンバー間の多数決で決める」ことになっていたため、
結局「2対1」でライドン先生が敗訴、、、。

しかし相手はあのライドン先生、これで収まるわけがない。
以後もライドン先生はメディアに出る度に『ピストル』を酷評し、みじん斬りにしてきた。

★その最新版が以下。

(1)ライドン先生が最近、英TV番組『This Morning』に出演した際のインタビュー動画がこれ。


ライドン先生の発言の要約。

「『ピストル』の制作を始めるという話があった数年前から『脚本を読ませてくれ』と何度もダニー・ボイル側にリクエストしてきたけど、
ずっと断られてきた。
最初から俺を締め出すつもりだったんだ。

俺が作ったジョニー・ロットンというキャラや、
パンク=反体制の思想はピストルズというバンドが世に出る際の最も重要な要素だった。
それらをドラマ中に大々的に使っているにも関わらず、ね。

ドラマ中には事実とかけ離れた場面もかなり出てくる。
例えばシルバー・ジュビリーの頃(1977年、エリザベス2世の戴冠25周年記念の真っ最中に”God Save The Queen”をリリースした頃)、
女王が乗っている馬車に向かって民衆が怒って石を投げたりする場面が出てくるけど、
実際にはあんな事件は起きなかった。
あれは完全な捏造だ。
ジュビリー気分で国中がお祭り騒ぎだった当時の英国で、
”反王室”の歌を書き、リリースする度胸があったのはピストルズだけだった」


(2)さらにピストルズのもう一人のメンバー、グレン・マトロックも同番組にリモート出演しこんな発言を。


グレン・マトロックの発言の要約。

「俺は今回の伝記ドラマについてはあまり深く関わらず、ニュートラルな立場から接してきたんだけど、
実際に観て驚いたね。俺の記憶とは違う事件がいろいろ出てくるからさ。
まぁスティーヴ(・ジョーンズ)の自伝が基になったドラマだから、あくまでスティーヴの視点から見た記憶が描かれてるんだろうけど、、、。
ドラマを観た後スティーヴに『どう思う?』って訊かれたとき、
『お前の記憶はショッキングなくらいあやふやだな!』って言ってやったんだ。
とにかく俺が期待してた内容じゃなかったのは確かだよ」。


、、、ピストルズのバンド史を正確に描いた伝記ドラマというより、
ダニー・ボイルとスティーヴ・ジョーンズのファンタジー・ピストルズ史として観たほうがいいかも。



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ダニー・ボイル監督のセックス・ピストルズの伝記ドラマが日本でも7月13日から配信開始!  しかしジョン・ライドン+グレン・マトロックは「内容は事実からかけ離れ過ぎている」と英TV番組で断罪!

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