戦メリと日本人のイメージ

戦メリと日本人のイメージ

★今朝(英国時間2/21(日)兵庫さんのブログを見てふと思い出した、この83年の大島渚の名作『Merry Christmas, Mr. Lawrence/戦場のメリー・クリスマス』。

83年にUK中の映画館で初公開された時も、もちろん映画好き&ボウイ・フリークの英国人の友達数人と観に行った。
当時のUK内でも「ワールド・シネマ作品」としては異例!と呼べるほどの高い人気&評価を浴びた作品だったのを覚えている。

事実この映画はあの後、何度も英TVで放映され続けているし、
サントラ曲をベースにしたシングル”Forbidden Colours”by Ryuichi Sakamoto & David Sylvianも当時のUKチャートを賑わし、

兵庫さんのブログに出てくる、
2000年のWatergate(ドイツのトランス・バンド)によるシングル”Heart of Asia(戦メリのテーマをサンプリングしたダンス・トラック)”は、
なんと全英シングル・チャート3位(!)の大ヒットだった。

という経緯もあり、この映画が公開されて以来、
英国民の「日本への関心」は一気に高まったのですが。

「日本人ならカンフーもできるし、中国語も喋れるんだろう(マジでそう思っている人が未だに結構いるんですよね、、、)」程度の知識&認識しかない一般イギリス人にとって、
どうも「日本人のイメージ」=『戦場のメリー・クリスマス』になってしまったようで、、、。
今も英国人との会話の場で「日本」が話題に上るたびによくこの映画が引き合いに出される。

特に街角の売店などで買い物をしていて「何人?」と訊かれ、「日本人だ」と答えると、
即座に♪ツン、チン、チャン、チン、シャ~~~ンとこの映画のテーマ曲を歌われたりするのは、
正直笑って受け流せばいいのか不快なのか分からない複雑な気分になったりもする。

この作品のテーマが「二次世界大戦中の日本軍による英国人捕虜に対する残忍な扱い(&男色に対する差別的な伏線テーマもある)」であることを思うと、なおさら嫌な気分になるというか。

週末のパブなどで隣に座っている英国人の集団がこの映画を例に出し「日本人」を槍玉にあげているのを耳にしたりする度に、
「日本人全部がこの映画に出てくるようなホモ・フォビアでサディスティックな国民と思わないでよ!」と話に割り込んで猛烈に反論したくなる。

★その一方、日本映画というと必ずアキラ・クロサワの「サムライもの」しか放映しなかった各英TV局が、

本作が公開されて以降、『ソナチネ』『花火』『菊次郎の夏』『座頭市』etcの北野武作品をよく放映してくれるようになったのは、何かすごく得をした気分です♪
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